ムーディーズは、分析事業が拡大する一方で格付け収入が減少し、売上高の伸びが小幅にとどまったものの、2026年第3四半期の利益は増加した。希薄化後1株当たり利益は前年同期比18%増の$4.24となった。同社は2026年10月21日、通期見通しを再確認した。

主なポイント

  • 売上高は1%増の$2.023 billion、調整後希薄化後1株当たり利益は6%増の$4.14となった。
  • 分析事業の売上高が3%増加し、ムーディーズ・インベスターズ・サービスの1%減を相殺した。
  • ムーディーズは、9月までに株主へ約$3.1 billionを還元した後も、2026年の業績見通しを維持した。

目次

営業利益率が縮小するなか、ムーディーズの利益は増加

同社が発表した2026年第3四半期決算によると、9月30日までの3カ月間の売上高は$2.023 billionとなり、前年同期の$2.007 billionから増加した。オーガニック・恒常為替ベースでは3%増だった。これは、為替変動と事業所有権の変更を調整する非GAAP指標である。

報告ベースの希薄化後1株当たり利益は、$3.60から$4.24に増加した。非GAAP指標である調整後希薄化後1株当たり利益は、$3.92から$4.14に増加した。

利益の増加にもかかわらず、営業利益率は縮小した。ムーディーズの報告ベースの営業利益率は90ベーシスポイント低下して44.8%となり、調整後営業利益率は30ベーシスポイント低下して52.6%となった。営業費用は2%増加した。成長に向けた投資とインセンティブ報酬の増加が要因で、事業売却とコスト管理が一部相殺した。

項目詳細
2026年の希薄化後EPS見通し$16.00–$16.50、2026年10月21日時点で変更なし
2026年の調整後希薄化後EPS見通し$16.50–$17.00、非GAAP指標で変更なし
2026年の営業キャッシュフロー見通し$3.15 billion–$3.35 billion、変更なし
2026年のフリーキャッシュフロー見通し$2.7 billion–$2.9 billion、非GAAP指標で変更なし
配当基準日2026年11月20日、取引終了時点
配当支払日2026年12月11日

継続的な分析事業の売上高が成長を下支え

ムーディーズ・アナリティクスの売上高は$936 millionで、前年同期比3%増、オーガニック・恒常為替ベースでは8%増となった。継続的な売上高は6%増加し、同事業の売上高全体の99%を占めた。

年率換算継続収益は8%増の$3.688 billionとなった。この伸びを主導したのはデシジョン・ソリューションズで、銀行、保険、顧客確認(KYC)サービス全般の増加を含め、10%成長した。

同事業の調整後営業利益率は1ポイント改善し、35.3%となった。取引収入は76%減少した。主因はラーニング・ソリューションズの売却と、継続的な売上高への移行が続いたことだった。この移行は、報告ベースの事業売上高の伸びがオーガニック・恒常為替ベースの伸びを下回った理由の一つとなっている。

レバレッジド・ファイナンスの低迷が格付け事業の重しに

ムーディーズ・インベスターズ・サービスの売上高は、前年同期が過去最高だったことを受け、1%減の$1.087 billionとなった。取引収入は5%減の$714 million、格付け対象となった発行総額は2%減少した。

同社は、売上高の減少は主にレバレッジド・ファイナンスの発行減少によるものだと説明した。ハイイールド債の取引収入は40%減少し、レバレッジドローンの取引収入は27%減少した。一方、投資適格債の取引収入は18%増加した。テクノロジー分野を中心に、大企業の資金調達活動が寄与し、AI関連の資金調達やハイパースケーラーの投資も支えとなった。

公共、プロジェクト、インフラ金融の売上高は11%増加し、ストラクチャード・ファイナンスの売上高は5%増加した。こうした増加は、コーポレート・ファイナンスの売上高の減少を補うには至らなかった。格付け事業の調整後営業利益率は、65.2%から64.4%に縮小した。

キャッシュ創出力が強まるなか、通期見通しを維持

ムーディーズは、高い1桁台の売上高成長率を見込むなど、通期の財務見通しを据え置いた。この見通しは経営陣による予測であり、確定した実績ではない。

最初の9カ月間の営業キャッシュフローは21%増の$2.471 billionとなった。非GAAP指標であるフリーキャッシュフローは22%増の$2.200 billionとなった。同期間にムーディーズは約$2.6 billion相当の自社株を買い戻し、$543 millionの配当を支払った。

取締役会は10月20日、1株当たり$1.03の四半期配当を宣言した。維持された通期見通しには、手元資金、市場環境、買収機会、その他の資本配分判断を条件とする、最大$3.0 billionの自社株買いも含まれる。

結論

ムーディーズは、分析事業の成長が格付け事業の活動低迷を補うなか、通期見通しを維持した。次の確定した株主向け日程は、11月20日の配当基準日と12月11日の支払日である。

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