Travelersの2026年第3四半期の売上高は小幅に減少したものの、過年度準備金の有利な変動と投資収益の増加が、自然災害損失の増加を上回り、利益は増加した。同社が10月16日に発表したところによると、9月30日までの四半期の純利益は19億1,700万ドルとなり、前年同期の18億8,800万ドルから増加した。
主なポイント
- 純利益は2%増加し、希薄化後1株当たり利益は自社株買いに支えられて10%増加した。
- 報告ベースのコンバインド・レシオは改善したが、基礎的なレシオはわずかに上昇した。
- 企業保険と保証・スペシャリティ保険の保険料増加が、個人保険の減少を相殺した。
目次
過年度準備金の変動がTravelersの利益を押し上げ
Travelersの第3四半期決算発表によると、売上高は124億1,200万ドルとなり、前年同期の124億7,000万ドルから減少した。非GAAP指標であるコア利益は4%増の19億4,700万ドルとなった。主な要因は、過年度準備金の有利な変動の拡大と純投資収益の増加で、自然災害損失の増加が一部相殺した。
引受利益は13億7,800万ドルから14億3,200万ドルに増加した。過年度準備金の純有利変動は2億3,400万ドルとなり、前年同期の2,200万ドルから増加した。アスベスト準備金を2億9,500万ドル積み増した後でもこの水準となった。有利な変動とは、過去の保険金請求の見積額が純額で下方修正され、当期利益にプラスとなったことを意味する。
再保険控除後の自然災害損失は5億3,800万ドルとなり、前年同期の4億200万ドルから増加した。主な要因は複数の州で発生した強風や雹(ひょう)を伴う嵐だった。報告ベースのコンバインド・レシオは87.3%から86.8%に改善した一方、自然災害損失と過年度準備金の変動を除く基礎的なレシオは83.9%から84.1%に上昇した。レシオは低いほど引受収益性が高いことを示すため、表面上の改善は基礎的な利益率の改善を反映したものではなかった。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 第3四半期のコア株主資本利益率 | 22.1%。前年同期は22.6%。 |
| 自社株買いの残り承認枠 | 2026年9月30日時点で24億1,500万ドル。 |
| 法定資本・剰余金 | 四半期末時点で315億9,600万ドル。 |
| 決議済み四半期配当 | 1株当たり1.25ドル。2026年12月10日時点の株主に対し、12月31日に支払われる。 |
保険事業ごとに異なる保険料の動向
正味収入保険料総額はほぼ横ばいの114億8,000万ドルだった。2026年第1四半期に売却したカナダ事業が比較に影響しており、前年同期から同事業を除くと、保険料は2%増加した。
企業保険の保険料は3%増の58億6,800万ドルとなり、カナダ事業の売却分を除くと4%増加した。保証・スペシャリティ保険の保険料は12%増の12億900万ドルとなった一方、個人保険の保険料は7%減の44億300万ドルだった。
事業別の構成は重要だ。連結ベースの保険料総額が安定している一方で、個人保険が縮小するなか、企業向けおよびスペシャリティ保険は成長している。また、残存事業の成長を評価するうえでは、カナダ事業の売却に伴う調整も重要となる。
投資収益と自社株買いが株主還元を支える
税引前純投資収益は6%増の10億9,800万ドルとなった。Travelersは、長期固定利付ポートフォリオの利回り上昇と平均運用資産の増加が要因だと説明した。これとは別に、税引前の実現投資損失3,400万ドルを計上した。前年同期は2,700万ドルの利益だった。
希薄化後1株当たり利益は8.24ドルから9.04ドルに増加し、純利益の伸びを上回った。自社株買いによって発行済み株式数が減少したためだ。Travelersは四半期中に17億6,900万ドルを株主に還元し、このうち15億800万ドルは自社株買いによるものだった。
金利上昇により、株主資本に計上される未実現投資損失も増加した。1株当たり純資産は2025年末から6%減少した一方、純未実現投資損失を除く調整後1株当たり純資産は9%増加した。
結論
Travelersの利益は増加したものの、改善に大きく寄与したのは基礎的な引受利益率よりも、準備金の恩恵と投資収益だった。次の確定した株主関連の日程は、1.25ドルの四半期配当の権利確定日である12月10日で、配当は2026年12月31日に支払われる。
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