2026年第3四半期のTSMCの決算では、先端半導体への需要が強まるなか、売上高が会社予想を上回った。10月15日に発表された業績によると、売上高は467億2,000万ドルで、前四半期比16.2%、前年同期比41.2%増となった。経営陣は、2ナノメートル製造の立ち上げがマージンを圧迫する一方、米ドルベースの通期売上高成長率は約44%になるとの見通しを示した。

主なポイント

  • 第3四半期の売上高は、ガイダンス上限の458億ドルを上回った。
  • AI需要の強さを背景に、高性能コンピューティングが売上高の68%を占めた。
  • 第4四半期も売上高のさらなる伸びが予想される一方、新たな生産能力の稼働が引き続きマージンを圧迫する見通し。

目次

TSMCの決算、利益増とともに売上高ガイダンスを上回る

TSMCの第3四半期決算説明資料によると、株主に帰属する純利益は7,630億6,000万台湾ドルとなり、前年同期比68.7%増加した。1株当たり利益は29.43台湾ドルで、2025年第3四半期の17.44台湾ドルから増加した。

売上高は経営陣の予想レンジである446億~458億ドルの上限を9億2,000万ドル上回った。台湾ドルベースの売上高は前四半期比17.6%増の1兆4,940億台湾ドルとなった。米ドルベースの指標と成長率が異なるのは、報告通貨の違いによる。

粗利益率は第2四半期から1.3パーセントポイント低下して66.4%となった。主な要因は、2ナノメートル製造の初期立ち上げに伴う希薄化だった。営業利益率は60.3%から58.7%に低下したものの、従来のガイダンスである56%~58%の範囲を上回った。いずれの利益率も前年同期比では上昇した。

項目詳細
スマートフォン・プラットフォーム2026年第3四半期の売上高は前四半期比10%増、総売上高の21%。
モノのインターネット(IoT)プラットフォーム2026年第3四半期の売上高は前四半期比5%増、総売上高の4%。
自動車プラットフォーム2026年第3四半期の売上高は前四半期比23%増、総売上高の4%。
デジタル家電プラットフォーム2026年第3四半期の売上高は前四半期比12%減、総売上高の1%。

AI需要で先端半導体の構成比が上昇

高性能コンピューティングの売上高は前四半期比22%増加し、総売上高の68%を占めた。魏哲家(C.C. Wei)董事長兼最高経営責任者(CEO)は、需要は引き続きTSMCの供給能力を上回っており、同社はその差を縮める取り組みを進めていると述べた。

7ナノメートル以下と定義される先端技術は、ウェハー売上高の79%を生み出した。内訳は3ナノメートルが33%、5ナノメートルが28%、7ナノメートルが10%、2ナノメートルが8%だった。これらの割合はウェハー売上高に占める比率であり、プラットフォーム別の売上構成比ではない。

ウェンデル・ホアン最高財務責任者(CFO)は、AI需要に減速の兆しは見られないと述べた。経営陣はまた、部品コストの上昇や経済の不確実性が消費者市場や価格に敏感な市場を圧迫していると指摘し、AI関連需要の強さはすべての最終市場の状況とは異なると説明した。

第4四半期見通し、増収とマージン圧力が併存

経営陣は第4四半期の売上高を523億~543億ドルと予想した。中央値の533億ドルは、前四半期比約14%増に相当する。粗利益率は65%~67%、営業利益率は56.5%~58.5%を見込む。前提とする為替レートは1米ドル=31.8台湾ドル。

粗利益率の予想中央値66%は、第3四半期実績をわずかに下回る。経営陣は、急速な2ナノメートルの立ち上げと海外工場が予想される圧力の要因だと説明した。これは、売上高が伸びる一方で、先端生産能力の拡大が収益性を圧迫し得ることを示している。

TSMCは、海外工場による2026年通期の利益率への希薄化影響は2パーセントポイント近くになると予想しており、今後数年間にはその影響が3~4パーセントポイントに拡大する見通しだ。これらは経営陣の予想であり、将来の実績ではない。

潤沢なキャッシュ創出が大規模な設備投資を支える

第3四半期の営業キャッシュフローは9,197億7,000万台湾ドルに達した。4,432億1,000万台湾ドルの設備投資を差し引いたフリーキャッシュフローは4,765億6,000万台湾ドルだった。四半期末の現金および有価証券は4兆170億台湾ドルとなった。

TSMCは2026年の設備投資予算を600億~640億ドルと改めて示した。ホアン氏は、2026~2028年の支出はその前の3年間を大幅に上回る見込みだと述べたが、2026年以降の年間予算は明らかにしなかった。

同社は2027年に2ナノメートルの年間生産能力を2倍超にする見通しだ。A14技術については、2027年にリスク生産を開始し、2028年に量産を開始する予定に変更はない。これらの節目は、すでに売上高を生み出している生産能力とは区別される。

結論

次の業績発表の節目となる第4四半期では、売上高523億~543億ドル、粗利益率65%~67%という予想に対する実績を確認できる。これらの数値は、売上高の伸びと先端生産の拡大コストがどのように均衡するかを示すことになる。

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