IBAとFramatomeは2026年10月16日、将来の標的型がん治療に向けたアスタチン211の国際的な製造ネットワークを構築することを目的とする共同出資会社Ekaliaの設立を発表した。初の施設はフランス・ナントに建設する計画で、2028年の操業開始が見込まれている。

重要ポイント

  • Ekaliaは、IBAのサイクロトロンおよび同位体製造技術と、Framatomeの原子力産業に関する専門知識を組み合わせる。
  • ナントに計画されている施設は2028年に操業を開始する見込みで、その後、米国にパイロット施設を設ける構想がある。
  • この合弁会社は同位体の供給制約への対応を目指す。発表では投資額や製造目標は明らかにされなかった。

目次

アスタチン211の製造はフランスの施設計画から始まる

Ekaliaの製造ネットワーク計画では、顧客の近くに産業規模の施設を設ける方針で、まずナントに建設し、その後、欧州および北米に展開する。米国に2番目のパイロット施設を設けた後、欧州と米国に追加施設を設置する計画だ。

今回の発表により両社の提携は正式に発足したが、製造ネットワークは依然として開発計画の段階にある。両社は、米国のパイロット施設の稼働開始時期、製造能力の目標、投資費用、各社の出資比率を明らかにしていない。

項目詳細
発表日2026年10月16日
合弁会社の出資IBAとFramatomeの共同出資。出資比率は非公表
当初の稼働目標フランス・ナント。2028年の稼働開始を予定
財務情報の開示投資額、製造能力の目標、売上高予想はいずれも未発表

提携の背景にある供給上の課題

アスタチン211は、精密核医学への応用が研究されているアルファ線放出放射性同位体だ。ごく短い距離に集中的な放射線を照射できるため、周囲の健康な組織への被ばくを抑えながら、がん細胞を破壊できる可能性がある。

提携各社が指摘する商業化上の課題は、治療効果への期待を、信頼性の高い大規模供給につなげることだ。そのためEkaliaは将来の治療を支えるインフラ整備の取り組みであり、新たに承認されたがん治療法の発表ではない。

Framatome Healthcareの副社長、François Gauché氏は、将来の標的型治療には信頼性が高く、拡張可能で強靱なサプライチェーンが必要だと述べた。IBAの最高コーポレート・ベンチャー責任者であるCatherine Vandenborre氏は、この提携について、核医学のイノベーションへのアクセスを妨げる障壁を取り除く手段だと説明した。

各社が持ち寄る既存の同位体関連能力

IBAは最近、アスタチン211の製造に特化したサイクロトロン「Cyclone iKure」を発売した。同社はPanTeraを通じてアクチニウム225の製造にも参加しており、新たな合弁会社は、標的型アルファ線治療向け同位体に関する同社の幅広い事業とつながりを持つ。

Framatomeは、原子力産業の専門知識と医療用同位体の製造経験を提供する。同社の技術は合弁会社ISOGENを通じて活用され、2022年6月にはカナダの原子炉でルテチウム177の大規模商業生産を実現した。

こうした能力は提携の産業面での狙いを説明するものだが、発表ではEkaliaの売上高予想や定量的な財務貢献は示されていない。

結論

Ekaliaにより、IBAとFramatomeは産業規模の同位体供給網を開発するための共同プラットフォームを得る。発表で日程が示された次の節目は、2028年に予定されるナント施設の操業開始だ。米国のパイロット施設の時期は明らかにされていない。

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