インドでは、アジム・プレムジ氏やランジャン・パイ氏が支援する企業が、検証、コーディング、コンテンツ制作分野のスタートアップに資金を投じ、ビリオネアのファミリーオフィスから流入する資本が増えている。2026年10月までに、インドで創業したAI企業のうち少なくとも6社が評価額10億ドルを超えた。ただし、同国の資金調達基盤は米国や中国に比べて依然としてはるかに小さい。

要点

  • Premji InvestとClaypond Capitalは、複数のビジネス用途にわたるAIスタートアップを支援している。
  • インドが2013~2025年に獲得した民間AI投資は150億ドルを超えたが、米国と中国を大きく下回った。
  • スタートアップ向けの資金調達と発表済みのインフラ投資は、インドのAI基盤整備における異なる分野に対応している。

目次

ファミリーオフィスがAI投資先を拡大

テクノロジー起業家アジム・プレムジ氏に関連する投資会社Premji Investは、2026年6月、AI検証プラットフォームのPramaana Labsの資金調達ラウンドに参加した。同社の幅広いテクノロジー投資先には、Databricks、Canva、Spotdraft、Writerが含まれる。

ランジャン・パイ氏のファミリーオフィスであるClaypond Capitalは、7月にコーディングプラットフォームのEmergent、9月にコンテンツ系スタートアップのFlamを支援した。これらの投資は、大規模モデルの開発企業だけに集中するのではなく、AIのさまざまな用途にファミリー資本が広がっていることを示している。

Waterfield Advisorsの投資責任者、リディマン・ジェイン氏は、インドのAIエコシステムの発展に伴い、ファミリーオフィスやエンジェル投資家が直接投資に一段と前向きになっていると述べた。同氏は「AIには忍耐強い資本が必要ですが、それは希少であり、投資対象の裾野もまだごく初期段階にあります」と語った。

項目詳細
Pramaana Labs2026年6月に2,700万ドルの資金調達ラウンドを実施。Premji Investが参加。
Emergent2026年7月に1億3,000万ドルの資金調達ラウンドを実施。Claypond Capitalが参加。
Flam2026年9月に4,000万ドルの資金調達ラウンドを実施。Claypond Capitalが参加。

インドのAI投資、深刻な資金ギャップに直面

スタンフォード大学の「AI Index Report」によると、インドのAI経済に対する民間投資は2013年から2025年にかけて150億ドルを超えた。同期間の米国は7,570億ドル、中国は約1,320億ドルだった。

こうした累計額を踏まえると、最近の資金調達ラウンドの位置づけが明確になる。高い評価額を得たスタートアップが増えているものの、資金調達基盤はまだ、AI市場の二大国に匹敵する規模には達していない。

世界銀行グループの報告書は、資本、コンピューティングインフラ、専門的な研究人材、その他のリソースに関する制約を指摘した。それでも、Artha Venture Fundのマネージングパートナー、アニルード・ダマニ氏は、グローバル企業向けソフトウェアやAIアプリケーション、サービスにおいて、インドはコスト面の優位性を保っていると述べた。

大型調達とIPOが進展を示す

拡大はアーリーステージの投資にとどまらない。ムンバイを拠点とするFractal Analyticsは2026年2月の新規株式公開(IPO)で3億1,300万ドルを調達し、上場したインド初のAIユニコーン企業となった。

UniphoreのシリーズFに関する発表によると、同社は2025年10月22日に2億6,000万ドルの資金調達ラウンドを完了し、Nvidia、AMD、Snowflake、Databricksが出資した。このラウンドでの企業評価額は25億ドルだった。ウメシュ・サチデブ氏とラビ・サラオギ氏が2008年に創業したUniphoreは、その後、カリフォルニア州パロアルトに本社を移した。

ベンガルールを拠点とするSarvamは2026年に3億4,500万ドルを調達し、評価額は15億ドルとなった。投資家にはHCL Technologiesが含まれる。2023年にビベク・ラガバン氏とプラティシュ・クマール氏が創業した同社は、インドの22言語を対象に、音声、文書、コーディングなどに用いるモデルを開発している。

インフラ投資計画は別個の投資分野

政府の1,037億ルピー(11億ドル)規模のIndiaAI Missionは、コンピューティング能力、データセット、自主開発のAIモデル、その他の公共インフラに重点を置いている。より広範な商業基盤の整備には、民間投資家が資金の多くを拠出している。

ゴータム・アダニ氏と、Reliance Industriesのムケシュ・アンバニ氏は、データセンター、半導体、その他のAI関連サービスに約2,100億ドルを投じることを約束した。Google、Amazon、Microsoftも、インドのデータセンターに合計約450億ドルを投資する計画をそれぞれ発表している。

これらは投資の確約であり、支出が完了したことを意味するものではない。また、スタートアップの資金調達ラウンドとも性質が異なる。インフラ事業はコンピューティング能力や生産能力を拡大する一方、株式による資金調達は、製品やサービスを開発する企業に直接資本を提供する。

結論

ファミリーオフィスはインドのAI企業への資本投入を増やしているが、資金ギャップは依然として大きい。今後は、最近のスタートアップ資金調達で賄われる製品開発と並行して、発表済みのインフラ投資計画が実行に移されるかが注目点となる。

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