2026年9月に成立したブラジルの再保険税制の変更により、保険グループが国内にキャプティブ再保険会社を設立、または拡大する動きが促される可能性があると、フィッチ・レーティングスは述べた。段階的な税率引き下げは2027年に始まり、国内再保険会社と国際再保険会社の税負担の差が縮小する。ただし、フィッチは税制変更だけで信用格付けが左右されるとはみていない。

主なポイント

  • 国内再保険会社の名目税率の上限は、段階的に引き下げられ、2030年までに40%から24%となる。
  • キャプティブの仕組みがより魅力的になる可能性はあるが、節税額が資本、運営、コンプライアンスのコストを上回る必要がある。
  • フィッチは、分散化や損害規模の大きいリスクへの対応において、国際的な再保険キャパシティが引き続き重要だと予想している。

目次

ブラジルの再保険税制変更、2027年から段階的に実施

法律第15,525号は2026年9月28日に署名され、翌日に公布された。再保険税法に関するスセップの発表は、純利益に対する社会負担金(CSLL)の引き下げ、法人所得税の付加税の廃止、税務上の欠損金の繰越控除に関する変更を確認している。

国内再保険会社のCSLL税率は、2027年に15%から9%へ引き下げられる。法人所得税の10%の付加税は、2030年に廃止される。元受商業保険会社には引き続き標準の法定税率上限40%が適用されるため、両事業には異なる税制が適用される。

この枠組みでは、3年経過後に累積した税務上の欠損金およびCSLLのマイナス課税標準を利用する際の、従来の30%上限も緩和される。この変更により、利益に対する税負担の軽減に加え、繰延税金資産の回収が早まる可能性がある。

項目詳細
国内再保険会社の現行税率上限利益に対する名目税率の上限は40%。
2027~2029年の国内再保険会社の税率上限CSLLの引き下げ後は34%。
2030年以降法人所得税の付加税廃止後は24%。
元受商業保険会社標準の法定税率上限40%を維持。

キャプティブの拡大は節税効果だけでは決まらない

フィッチは、この法律が保険グループにとって、グループ内に設立したキャプティブ再保険会社などを通じて、ブラジル国内により多くのリスクを留保する誘因となる可能性があるとみている。国内の税負担の軽減はこうした仕組みの採算性を高める可能性があるが、すべてのケースで導入が有利になるとは限らない。

節税額は、運営、資本、ガバナンス、コンプライアンス、再再保険にかかるコストを補う必要がある。再再保険とは、再保険会社が自ら引き受けたリスクの一部を別の再保険会社に移転する仕組みだ。フィッチはまた、経済的実体と独立企業間価格の確保が必要だと強調した。

信用面の恩恵は、各社の実行力や資本支援、そして取り決めがグループの連結財務プロファイルを強化するかどうかに左右される。収益力の向上や市場の成長はプラスとなり得る一方、十分な分散や再再保険を伴わずにブラジルのリスク集中度が高まれば、信用プロファイルに圧力がかかる可能性がある。

外国再保険会社の引受能力、市場で引き続き大きな比重

ブラジルの出再保険料は2026年上半期に152億7,000万ブラジルレアルとなり、年金および貯蓄債券事業を除く保険市場の保険料の13.4%に相当した。国内再保険会社の引受額は80億8,000万ブラジルレアル(52.9%)、外国再保険会社は71億9,000万ブラジルレアル(47.1%)だった。

外国再保険会社向けの合計額の内訳は、臨時認可再保険会社への出再が35億9,000万ブラジルレアル、認可再保険会社への出再が36億ブラジルレアルで、それぞれ出再保険料全体の23.5%、23.6%を占めた。

フィッチは、税率の引き下げだけを理由に、外国再保険会社からブラジル国内へ出再リスクが広範に移転するとは予想していない。出再先の選定は、信用力、分散化、技術的な専門性にも左右される。これらは特に、自然災害など損害規模の大きいリスクへの対応で重要となる。したがって、国内でのリスク保有の増加だけで、信用力の向上が示されるわけではない。

結論

最初に予定されている変更は、2027年のCSLL引き下げだ。ブラジルの再保険税負担の軽減は国内の引受能力を支える可能性があるが、フィッチの評価は、保険グループがリスク保有を拡大する場合に、その資金をどのように調達し、管理するかに左右される。

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