2026年第3四半期のアボットの決算は、売上高と調整後利益が増加した一方、GAAPベースの利益が大幅に減少したことを示しました。同ヘルスケア企業は、9月30日終了四半期の売上高が130億1,300万ドルとなり、14.5%増加したと発表しました。調整後希薄化後1株当たり利益は9.2%増の1.42ドルとなった一方、GAAP希薄化後EPSは前年同期の0.94ドルから0.53ドルに減少しました。

主なポイント

  • 買収の影響に加え、為替変動と一部の支払いを除外して算出した比較可能売上高は7.0%増となり、発表ベースの14.5%増を下回りました。
  • GAAP純利益は44.1%減の9億2,000万ドルとなった一方、調整後純利益は8.7%増の24億7,700万ドルとなりました。
  • アボットは通期調整後EPS見通しの中央値を維持し、レンジを5.50~5.55ドルに縮小しました。

目次

アボットの決算、発表ベースと調整後指標で明暗

アボットが発表した第3四半期決算(2026年10月21日発表)では、GAAPベースと調整後の利益の差が大幅に拡大したことが示されました。同社は調整後業績から税引後純額で15億5,700万ドルの費用を除外しました。前年同期の除外額は6億3,400万ドルでした。

2026年に除外された項目には、無形資産の償却、法的和解、買収、リストラクチャリング施策、その他の純費用が含まれます。これらは1株当たり0.89ドルに相当し、前年の0.36ドルを上回りました。そのため、今四半期は発表ベースの業績と調整後業績の違いが特に重要です。

営業利益は34.0%減の13億5,800万ドルとなりました。営業費用合計が売上高を上回るペースで25.2%増加したためです。販売費・一般管理費は39.8%増加し、無形資産償却費はほぼ倍増して8億4,100万ドルとなりました。純支払利息も前年の4,400万ドルから2億9,700万ドルに増加しました。

項目詳細
医療機器第3四半期売上高:58億2,600万ドル、発表ベースの伸び率:6.9%、比較可能ベースの伸び率:7.8%。
診断薬第3四半期売上高:33億500万ドル、発表ベースの伸び率:46.7%、比較可能ベースの伸び率:6.4%。
栄養製品第3四半期売上高:22億6,200万ドル、発表ベースの伸び率:5.1%、比較可能ベースの伸び率:4.9%。
既存医薬品第3四半期売上高:16億1,400万ドル、発表ベースの伸び率:6.8%、比較可能ベースの伸び率:8.4%。

買収により売上高比較が変化

アボットは2026年3月23日にExact Sciencesの買収を完了し、現在は同社事業をがん診断部門に計上しています。比較可能売上高の算出では、当期と前年同期の両方にExact Sciencesを含め、為替変動の影響を除外するとともに、ストラクチュラル・ハート部門における一部の補償金支払いを除いています。

この算出方法により、診断薬部門の発表ベースの伸び率46.7%が、比較可能ベースの6.4%を大幅に上回った理由が説明できます。アボット全体では、比較可能売上高の伸び率が7.0%で、発表ベースの14.5%を下回りました。

がん診断部門の四半期売上高は9億6,800万ドルで、比較可能ベースで13.8%増加しました。Cologuardに加え、精密腫瘍学および海外事業からの寄与が支えとなりました。医療機器部門では、電気生理学関連の売上高が比較可能ベースで15.5%増加し、持続血糖測定器の売上高は7.7%増加しました。

製品承認でポートフォリオを拡充

アボットは四半期中の規制面および商業面での複数の節目を強調しました。8月には、グルコースとケトン体の濃度を測定するセンサーLibre DuoのFDA承認と、左心耳閉鎖デバイスAmulet 360のCEマーク取得を発表しました。

9月には、心房細動の治療にパルスフィールドエネルギーと高周波エネルギーの両方を用いるよう設計されたアブレーションカテーテルTactiFlex DuoのFDA承認を発表しました。また、平均リスクの45歳以上の成人を対象とする、FDA承認済みの血液ベースの大腸がんスクリーニング検査SimpleScreen CRCを発売しました。

通期見通しは中央値を維持

アボットは、2026年通期の比較可能売上高の伸び率を約6.0%と予想しました。従来発表した調整後希薄化後EPS見通しの中央値を再確認し、レンジを5.50~5.55ドルに絞り込みました。第4四半期の調整後希薄化後EPSは1.62~1.67ドルと予想しています。

これらは経営陣の予想であり、確定した実績ではありません。アボットは、買収費用、リストラクチャリング、減損、為替などの項目について、発生時期と影響を合理的に予測できないとして、対応する将来のGAAP指標を示しませんでした。

別途、同社が以前発表した1株当たり0.63ドルの四半期配当は、10月15日時点の株主に対し、2026年11月16日に支払われる予定です。

結論

アボットの四半期決算では、比較可能売上高が幅広く伸び、調整後利益も増加しましたが、除外項目が大幅に増加するなかでGAAP利益は減少しました。次回の予定されている株主への支払いは11月16日の配当であり、経営陣が示す第4四半期の調整後EPS目標は1.62~1.67ドルです。

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