Allegroは2026年10月20日、ヒューマノイドロボット向けに設計された48V電源管理チップと高精度位置センサーを加え、ロボティクス製品を拡充すると発表した。Allegro MicroSystemsによると、これらの部品はスペース、重量、発熱、安全性に関する制約に対応する。また、Sarcomere Dynamicsとの協業は、ロボット用グリッパーから、より複雑なロボットハンドへと拡大する見通しだ。
主なポイント
- Allegroによると、A81481電源チップは電源システムの設置面積と部品コストを約50%削減できる。
- センサー製品群は、高トルクの胴体関節と、部品が密集するロボットの指の両方を対象とする。
- Sarcomere Dynamicsは、24自由度のARTUS Dexハンドへ協業を拡大する計画だ。
目次
Allegroのロボティクス製品、小型48V電源システムを対象に
Allegroはロボティクス製品群の発表で、A81481電源管理集積回路は48Vバスから直接、電力供給と安全制御を行い、外部プリレギュレーターを不要にすると説明した。同社は、この統合により電源システムの設置面積と部品表コストを約50%削減できると見積もっている。これはロボット全体のコストに関する主張ではない。
実用面での課題は、小型で密閉された関節やセンサーモジュールに電力変換機能を収めることだ。Allegroによると、ヒューマノイドの設計では、ケーブルの重量と抵抗損失を減らすために48Vアーキテクチャの採用が進んでいる一方、他の部品に供給するため、安全に電圧を降圧する必要がある。
A81481は電源制御に加え、トリプル・ウォッチドッグ構成など、ASIL-D対応の安全診断機能を備える。これらはAllegroが説明する部品の機能であり、完成したロボットが特定の安全認証を取得したという意味ではない。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| A81481のパッケージ | 6 × 6 mm。2つの降圧レギュレーターと5つの低ドロップアウト出力を搭載。 |
| A17803のパッケージ選択肢 | 超小型QFNパッケージを用意。 |
| CT310の仕様 | Allegroによると、2 × 2 mmのDFNパッケージで1度未満の精度。 |
| A33023のインターフェース | 低レイテンシーと診断サポートを備えた複数のデジタル出力オプション。 |
胴体関節とロボットの指、それぞれに異なるセンサー
高トルクが求められる肩、股関節、膝関節向けに、AllegroはA17802およびA17803誘導式位置センサーを提供する。同社によると、センサーに組み込まれた迷走磁界への耐性により追加のシールドが不要となるほか、補正とフィルタリングによって機械的なエアギャップの変化にも対応できる。
手や指向けには、CT310 TMRセンサーとA33023ホール効果角度センサーが、より厳しい実装スペースの制約に対応する。Allegroはこれらを、汚染、機械的衝撃、振れに対する耐性が高い、巻線式レゾルバーや光学式エンコーダーに代わるソリッドステート方式の選択肢として位置付けている。
ヒューマノイドロボットには、大型関節の力強い動きと、小型関節の精密な制御の両方が必要となるため、この違いは重要だ。Allegroの製品群は、単一のセンサー設計ではなく、異なるセンシング技術でそれぞれの要件に対応する。
Sarcomereとの協業、次の段階を計画
Sarcomere DynamicsのCEO兼共同創業者であるHarpal J.S. Mandaher氏は、両社がAllegroのモーションコントローラー、センサー、電源チップをScorpionグリッパーに統合するため協業していると述べた。同氏によると、この協業は24自由度を持つ次世代ロボットハンド、ARTUS Dexへ拡大する計画どおりに進んでいる。
この拡大はあくまで計画段階であり、導入が完了したわけではない。発表では受注額や売上高への寄与は明らかにされておらず、Allegroは、顧客による採用、商用化、設計採用の時期を、期待される成果に対するリスクとして挙げた。
結論
Allegroの発表は、定量化された商業的成果ではなく、部品の機能と協業拡大の計画を示すものだ。次回の確定済み展示はelectronica 2026で、同社はHall C6、Booth 129にてロボティクス向け電源・センシング製品を展示する予定だ。
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