2026年10月16日午前11時27分(米東部時間)、IBM株は231.59ドルで取引され、約1.08%下落した。モルガン・スタンレーが目標株価を190ドルから238ドルに引き上げたにもかかわらず、下落した。同行は「イコールウエート」の投資判断を据え置いたため、改定後の目標株価は提示された株価を約2.8%上回るにとどまった。

主なポイント

  • モルガン・スタンレーはIBMの目標株価を25.3%引き上げたが、「イコールウエート」の投資判断を維持した。
  • 第2四半期の配当支払いは、IBMが報告したフリーキャッシュフローの約64%に相当した。
  • ソフトウェアの成長に対し、コンサルティングの売上高は横ばいで、インフラ事業の業績はまちまちだった。

目次

アナリストの目標株価引き上げにもかかわらずIBM株は下落

モルガン・スタンレーは、インフラ事業の強さがコンサルティング事業の低調な成長を補うと見込んでいる。目標株価を48ドル引き上げたことは評価の大幅な見直しを示すが、投資判断の引き上げでも、会社側の業績予想でもない。

改定後の目標株価は、IBMの提示株価を6.41ドル上回っていた。この比較的小さな差は、目標株価の改定幅と、その時点で示唆されていた株価上昇余地の大きさが異なることを示している。株価は取引時間中の一時点の値であり、終値ではない。また、入手可能な情報からは、下落の原因を一つに特定できない。

項目詳細
2026年6月30日時点の現金および有価証券制限付き現金および有価証券を含め82億ドル。2025年末から63億ドル減少。
上半期の買収投資額105億ドル。
2026年6月30日時点の負債IBMファイナンシングの負債130億ドルを含め620億ドル。年初来で7億ドル増加。

配当支払いで他の用途に回せる現金は減少

IBMが発表した2026年第2四半期決算によると、フリーキャッシュフローは25億ドルで、配当を通じて株主に16億ドルを還元した。概数を基に計算すると、配当は四半期フリーキャッシュフローの約64%を占め、支払い後に約9億ドルが残った。

四半期のフリーキャッシュフローは前年同期比で3億ドル減少した一方、上半期のフリーキャッシュフローは48億ドルで横ばいだった。このため、キャッシュ創出力は、アナリストによる目標株価引き上げとは別個の経営上の論点となる。配当支払い後に残る現金は、投資、買収、負債管理に充てる余地をもたらす。

IBMの6月30日時点の貸借対照表と上半期の買収支出は、現金の用途が競合する状況を理解するうえで、さらなる文脈を提供する。

ソフトウェアの成長とインフラ事業のまちまちな業績

第2四半期のソフトウェア売上高は5%増の78億ドルだった。コンサルティング売上高は53億ドルで横ばいとなり、恒常為替レートベースでは1%増だった。

インフラ事業の報告業績は、同行の先行き評価が示唆するほど単純ではなかった。同セグメントの売上高は7%減の38億ドル。分散型インフラ事業は37%増加した一方、IBM Zの売上高は42%減少した。したがって、一部のインフラ事業の好調はセグメント全体の成長にはつながらなかった。

IBMは7月22日の発表で、2026年通期の恒常為替レートベースの売上高成長率を4%~5%と予想し、年間フリーキャッシュフローが約10億ドル増加するとの見通しを維持した。これらは経営陣の見通しであり、確定した実績ではない。

結論

目標株価の引き上げによって、IBMの投資判断やキャッシュ創出力が変わったわけではない。注目すべき経営上の指標は、7月に示した通期フリーキャッシュフローの増加目標に向けた進捗と、ソフトウェアおよび分散型インフラ事業の成長が低調な事業を補えるかどうかだ。

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