欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会によるナルソプリマブの審査は、2026年10月16日に再度の否定的見解で終了し、オメロスは求めていた欧州での承認を得られなかった。同社はまた、米国で商業需要が拡大するなか、コンパッショネートユース・プログラムを終了する計画を発表し、欧州の患者向けに別のアクセス方法を模索している。

主なポイント

  • CHMPは、2026年6月の判断を再審査した後も否定的見解を維持した。
  • オメロスによると、専門家グループは個々の患者データの外部審査を求めた。
  • 既存のコンパッショネートユース患者には、治療を完了するのに十分な量の薬剤が提供される。

目次

ナルソプリマブの審査をめぐり、患者データの評価に疑問

申請対象は、造血幹細胞移植関連血栓性微小血管症(TA-TMA)で、幹細胞移植に伴う重篤な合併症である。再審査でも、医薬品委員会(CHMP)の従来の否定的見解は覆らなかった。

オメロスの10月16日の規制関連発表によると、血液専門医、統計専門家、移植医からなる8人の専門家グループに、患者代表2人が加わった。同グループは、CHMPが作成した3部構成の質問に対応するため招集された。

オメロスによると、CHMPの会議議事録には、治療反応と生存率をより適切に把握するため、外部専門家が個々の患者レベルのデータを審査するよう勧告したことが記録されていた。同社は8月に相当量の患者レベルデータを提出したが、CHMPはそれらのデータを専門家グループに提供しなかったという。

この説明は審査プロセスに関するオメロスの懸念を示すものであり、外部評価があれば規制当局の判断が変わっていたことを証明するものではない。

項目詳細
コンパッショネートユースの継続すでに治療を受けている患者には、治療コースを完了するのに十分な供給量が提供される。
追加の臨床試験急性呼吸窮迫症候群、および高リスク小児TA-TMAの予防を対象とする試験が、2026年後半に開始される予定。
長時間作用型MASP-2プログラムOMS1029は第1相臨床試験を完了した。

欧州での商業化は引き続き条件付き

ナルソプリマブは米国ですでにYARTEMLEAとして販売されている。オメロスによると、FDAは2025年12月、成人および2歳以上の小児のTA-TMAを対象に同薬を承認した。

同社は米国で自社の営業部隊を通じて治療薬を販売している。一方、欧州戦略は異なり、オメロスは販売承認が得られた場合、欧州連合(EU)での商業化権を第三者にライセンス供与する計画だ。今回の否定的見解により、ライセンス戦略は実行可能な段階には至らず、引き続き条件付きとなった。

オメロスによると、欧州ではTA-TMAの承認治療薬がない。最高経営責任者(CEO)のグレゴリー・A・デモプロス氏は、再審査のプロセスと結果に失望を表明した。

患者アクセスの変更は供給需要の増加に伴うもの

オメロスは、米国の商業市場で薬剤供給の需要が増加していることを理由に、YARTEMLEAのコンパッショネートユース・プログラムを終了する意向をCHMPに伝えた。発表されたのは終了の計画であり、プログラムがすでに終了したということではない。

同社は、欧州およびその他の地域で認められる場合、全額償還の対象となる指名患者アクセスを可能にする取り組みを進めている。この取り組みは、欧州全域での販売承認取得とは別のものであり、オメロスはこうした仕組みがすでに整ったとは発表していない。

結論

欧州での後退を受け、オメロスは米国での商業化と並行して、患者アクセスの仕組みを模索している。次に示された節目は、2026年後半に追加の臨床試験を開始する計画だが、10月16日の発表では開始は確認されていない。

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