イプソスの2026年第3四半期売上高は6億3,620万ユーロとほぼ横ばいだった一方、オーガニック成長率は上期の0.8%から2.0%に改善した。市場調査会社のイプソスは10月23日の発表で、通期のオーガニック成長率見通しを1.2%~1.5%に修正し、営業利益率の目標は維持した。

主なポイント

  • 第3四半期のオーガニック成長は加速したが、報告売上高は前年同期の6億3,590万ユーロに対してほぼ横ばいだった。
  • イプソスは2026年通期のオーガニック成長率を1.2%~1.5%と見込み、営業利益率は2025年並みと予想している。
  • アジア太平洋地域とEMEAは四半期中に成長した一方、米州は経営陣の期待を下回った。

目次

為替が逆風となったイプソスの売上高成長

最初の9カ月間の売上高は18億630万ユーロとなり、前年同期の17億9,100万ユーロから0.9%増加した。オーガニック成長率は1.2%で、為替変動やグループの連結範囲の変更を除いた基礎的な事業実績を示している。

買収と売却は、9カ月間の売上高成長に純額で1.6%寄与した。これはThe BVA Familyの買収を反映したもので、2026年1月1日付のロシア事業の連結除外が一部相殺した。主にユーロが米ドルに対して上昇したことにより、為替要因は成長率を1.9%押し下げた。

そのため、第3四半期のオーガニック成長率の改善は、報告売上高の同程度の増加にはつながらなかった。2026年に売上高として認識される受注残高のオーガニック成長率も、同四半期は2.0%、最初の9カ月間では1.2%だった。

項目詳細
EMEA9カ月間の売上高:8億9,730万ユーロ;第3四半期のオーガニック成長率:3.5%。
米州9カ月間の売上高:6億1,820万ユーロ;第3四半期のオーガニック成長率:-1.2%。
アジア太平洋地域9カ月間の売上高:2億9,080万ユーロ;第3四半期のオーガニック成長率:4.3%。

通期見通しで利益率目標を据え置き

イプソスは、オーガニック成長率の見通しを1.2%~1.5%に修正したのは、9カ月間の業績と9月末時点の受注残高を反映したためだと説明した。このレンジは、2025年のオーガニック成長率0.6%と比較される。

経営陣は、中東紛争が地域の事業活動に及ぼす影響など、マクロ経済および地政学的な不確実性が続いていることにも言及した。Horizons戦略計画への投資を継続する一方、営業利益率を2025年並みとする目標を維持した。

地域別の回復にはばらつき

アジア太平洋地域では、現地および国際的な顧客に支えられた中国の継続的な成長と、AIを活用した新サービスが追い風となった。インドも同地域の成長加速に寄与した。EMEAでは、西欧、中東欧、アフリカ全域で成長した一方、中東では事業活動が縮小した。

米州は経営陣の期待を下回った。イプソスは、この業績の主な要因として、2026年上期におけるHorizonsの実行の遅れを挙げた。

顧客層別では、Citizens事業が四半期中に最も高い成長を記録し、オーガニック成長率は8.6%となった。3月以降に獲得した契約が寄与した。Doctors & Patientsは5.7%成長し、Consumersは0.7%増加した一方、Clients & Employeesは2.5%減少した。この構成からは、回復がまだすべての顧客層に広がっていないことがうかがえる。

新経営陣がデジタル展開を加速

7月30日に最高経営責任者に任命されたKelly Beaverは、Horizonsの方針を再確認し、実行の加速を優先課題に掲げた。イプソスによると、プログラムの指揮体制を強化し、エージェント型AIの展開に向けてGoogle Cloudと戦略的提携を結んだほか、Ipsos.Digitalの社内利用拡大に向けた取り組みを開始した。

同社の自動化されたDIY調査プラットフォームは、調査の依頼から納品までのプロセスをカバーし、数時間以内に結果を提供する。この機能は、調査の納期短縮を目指すイプソスの取り組みにおいて、同プラットフォームが果たす役割を示している。

イプソスは別途、Ipsos.Digitalのオーガニック成長率が14%だったと報告した。同社はSpeedプログラムのもと、調査プロジェクトの大半を48時間以内に提供することを目指しており、グループ全体での同プラットフォームの利用を加速させる方針だ。

結論

イプソスの次の試金石は2026年第4四半期だ。9月時点の受注残高とHorizonsの実行加速が、営業利益率の目標を維持しながら、修正後の通期成長率レンジを支えられるかが焦点となる。

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