Kelun-Biotechが2026年10月24日に発表したSac-TMT試験の結果によると、シスプラチン不適格で、未治療の進行尿路上皮がん患者40人に同薬をペムブロリズマブと併用した場合、確認済み客観的奏効率は68%だった。第II相試験の結果はさらなる開発を後押しする一方、患者の63%でグレード3以上の治療関連有害事象が発生した。

主なポイント

  • 追跡期間の中央値22.8カ月時点で、奏効期間の中央値は19.4カ月だった。
  • 治療関連有害事象により、患者の8%でSac-TMTの投与が恒久的に中止された。死亡例はなかった。
  • Kelun-Biotechは、この結果が国際第III相試験TroFuse-055の開始を支持すると述べた。

目次

Sac-TMT試験の結果は未治療患者40人を対象

結果は、国際多施設共同の非盲検第II相バスケット試験MK-2870-002/SKB264-II-06のコホートBから得られた。参加者は局所進行または転移性の尿路上皮がんで、全身療法を受けたことがなく、シスプラチン不適格だった。

復旦大学上海がんセンターのBian Xiaojie教授が、マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)総会で最新結果を発表した。データカットオフ日は2026年1月26日で、10月の発表より数カ月前だった。

病勢進行または死亡までの期間である無増悪生存期間の中央値は11.2カ月だった。データカットオフ時点で全生存期間の中央値には達しておらず、試験ではその生存期間の推定値はまだ確立されていなかった。

TROP2およびPD-L1の発現水準を問わず奏効が認められた。ただし、対象コホートが小規模で、対照群との比較結果も報告されていないため、これらの結果から本併用療法が他の治療より優れているとは結論づけられない。

項目詳細
Sac-TMTの用量4 mg/kgまたは5 mg/kgをペムブロリズマブと併用
確認済み病勢コントロール率88%
無増悪生存期間の不確実性95%信頼区間:5.8カ月から未到達
全生存期間の不確実性95%信頼区間:17.2カ月から未到達

安全性の結果が奏効結果に影を落とす

グレード3以上の治療関連有害事象で最も多かったのは、貧血、好中球数減少、口内炎だった。こうした結果を踏まえると、抗腫瘍活性と併せて毒性も本併用療法を評価する上で重要となる。

少数の患者で眼表面毒性が発生したが、いずれもグレード2以下だった。間質性肺疾患や肺臓炎は認められず、死亡に至った治療関連有害事象もなかった。

Kelun-Biotechは、安全性プロファイルは管理可能で、各薬剤について既知のプロファイルと一貫していると説明した。この評価は、報告された高グレード有害事象の発生頻度を補足するものであり、それに取って代わるものではない。

Kelun-BiotechのMSDとの提携を基盤に開発を推進

サシツズマブ・チルモテカン(Sac-TMT、SKB264、MK-2870とも呼ばれる)は、TROP2を標的とする抗体薬物複合体(ADC)である。MSDによるサシツズマブ・チルモテカンの説明によると、TROP2標的抗体にベロテカン由来のペイロードを結合させている。Keytrudaの商品名で販売されているペムブロリズマブは、MSDの抗PD-1抗体である。

Kelun-Biotechは2022年5月、グレーターチャイナ以外でSac-TMTを開発、使用、製造、商業化する独占権をMSDにライセンス供与した。同社によると、Sac-TMTは中国で乳がんおよび肺がんの特定の病態を対象とする4つの適応症についてすでに承認を取得している。これらの承認は、今回検討された尿路上皮がん併用療法とは別のものである。

同社は、第II相試験のデータが、NCT07829783として特定される国際第III相試験TroFuse-055の開始を支持すると述べた。発表では、試験開始日や結果公表の時期は示されなかった。

結論

Sac-TMT試験は、未治療の尿路上皮がん患者からなる小規模コホートで抗腫瘍活性を示す一方、高グレードの毒性も相当数報告された。Kelun-Biotechが次の開発段階として示したのは国際第III相試験TroFuse-055だが、発表では実施時期は明らかにされていない。

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