NVIDIA Earth-2は、欧州の気象・気候データで学習した地域予測モデルを追加し、地域に特化した予測を可能にするオープンAIツールを拡充しました。10月22日の報告でNVIDIAはStormScope EUを詳しく紹介するとともに、保険会社、エネルギー企業、研究者がEarth-2のモデルを専門的な用途に適応させる取り組みを取り上げました。用途はサイクロンリスクの調査から太陽光発電の予測まで多岐にわたります。
主なポイント
- StormScope EUは、EUMETSATの衛星観測データを使用し、Meteosatの16チャンネルで10分間隔に変化する雲の状況を予測します。
- AXAは1,000を超えるシミュレーションシーズンにわたってサイクロンリスクを調査し、TotalEnergiesは2カ所の太陽光発電施設で日射量予測を評価しています。
- そのほか、雷情報を活用した警報、英国の大気質モデリング、レーダー画像からの地表高度推定などにEarth-2のモデルを応用するプロジェクトも進んでいます。
目次
NVIDIA Earth-2、欧州向け予測パイプラインを追加
新しいStormScope EUモデルは、地域の短期予測を対象としています。NVIDIAはGTC Berlinで、Earthmoverと共同開発したインタラクティブなデモを通じて同モデルを紹介しています。このデモでは、受信した衛星観測データと予測を連携させ、来場者が地図上で予測を確認できます。
このパイプラインでは、Earth2Studioで予測を実行し、Earthmoverのプラットフォームで結果を管理・提供します。新たな衛星観測データに応じて10分ごとに更新されます。Earthmoverは結果を地図タイルとして配信するため、ユーザーはデータセット全体をダウンロードせずに欧州各地の予測を調べられます。
NVIDIAのより広範なアプローチでは、開発者が異なるタスク向けのモデルを組み合わせられます。StormScopeが短期予測を担い、CorrDiffは解像度の粗い気象データに地域の詳細を加えます。オープンソースのPhysicsNeMoフレームワークは、組織独自のデータや専門知識を用いた学習とカスタマイズのためのツールを提供します。
保険・エネルギー分野のプロジェクト、具体的な意思決定を支援
AXAはEarth-2のFourCastNet 3を活用し、過去の記録にとどまらない地域別のサイクロンリスクを調査しています。取り組みは1,000を超えるシミュレーションシーズンに及びます。NVIDIAによると、そこから得られる知見はリスク評価に活用でき、顧客が予防策に注力するのにも役立ちます。
TotalEnergiesの取り組みは、引き続き検証段階にあります。同社は2カ所の太陽光発電施設で、StormScopeに基づく日射量のナウキャストを評価するとともに、1時間未満の間隔で気象情報を提供することを目的としたモデルを開発しています。このプロジェクトでは、より詳細な予測によって太陽光発電量の変化を予測しやすくなるかどうかを検証しています。
Vaisala Xweatherは、Earth-2を独自の観測データ、雷データ、予測に関する専門知識と組み合わせ、自社の気象インテリジェンスプラットフォームに活用しています。取り組みには、雷データを使ってStormScopeを適応させ、短期予測のリードタイムを改善することや、SaaS製品およびAIアシスタントとの連携を通じて警報を利用しやすくすることが含まれます。
研究者、気象以外にもモデルを拡張
マンチェスター大学の研究者は、英国の大気質モデリング向けにCorrDiffを適応させました。NVIDIA搭載のスーパーコンピューターIsambard-AI上でモデルを学習させ、NVIDIA DGX Sparkシステム上でローカルに実行することで、国家規模のスーパーコンピューター基盤からデスクトップハードウェアまでを活用するワークフローを実証しました。
Space42はCorrDiffとPhysicsNeMoを用いてSARDiff4Heightを開発しました。この研究では、1枚のレーダー画像から地表高度を推定するとともに、不確実性マップも作成します。これにより、推定値をより詳しく精査する必要がある箇所を分析者が把握できます。
結論
StormScope EUにより、Earth-2に欧州特化型の予測オプションが加わりました。関連プロジェクトは、組織が特定のリスクや環境に関する課題に合わせてモデルを適応させる方法を示しています。一方で、評価中または開発中の用途も複数あります。
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