Holcimは10月23日、需要の拡大とコスト規律が第3四半期の経常営業利益を予想以上に押し上げたことを受け、今年2度目となる2026年の業績見通し引き上げを発表した。スイスの建材メーカーである同社は、経常利払・税引前利益(EBIT)のオーガニック成長率を、従来の10%から10%~12%へ引き上げると見込んでいる。
主なポイント
- 第3四半期の経常EBITは9億7,600万スイスフランとなり、アナリスト予想の9億4,670万スイスフランを上回った。
- 経営陣は、利益成長率の目標引き上げとともに、2026年のオーガニック売上高成長率を約5%と見込んでいる。
- 低炭素製品の売上構成比が上昇した一方、計画中のFermacell買収は引き続き承認待ちとなっている。
目次
四半期業績の改善を受けたHolcimの見通し引き上げ
Holcimの 2026年第3四半期決算 では、経常EBITがスイスフラン建てで16.8%増の9億7,600万スイスフランとなった。経常EBITのオーガニック成長率は12.2%で、為替換算ベースの報告上の増加率とは異なる基礎的な成長指標を示している。
四半期の純売上高はスイスフラン建てで15.5%増の46億6,200万スイスフランとなり、オーガニック成長率は5.1%だった。経常EBITマージンは前年同期の20.7%から20.9%に上昇し、営業利益が売上高をわずかに上回るペースで伸びたことを示した。
最高経営責任者(CEO)のMiljan Gutovic氏は、業績について、顧客需要の増加、厳格なコスト規律、事業運営の実行力によるものだと説明した。発表後、株価は一時最大6%上昇した。これは日中の値動きであり、終値ベースのリターンではない。
利益見通しの引き上げに加え、経営陣は通期の経常EBITマージンがさらに上昇し、フリーキャッシュフローが約20億スイスフランになると見込んでいる。これらは達成済みの実績ではなく、会社目標である。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 9カ月間の純売上高 | 125億8,600万スイスフラン。オーガニックベースで5.2%増。 |
| 9カ月間の経常EBIT | 24億1,400万スイスフラン。オーガニックベースで11.8%増。 |
| 9カ月間の経常EBITマージン | 19.2%。10ベーシスポイント上昇。 |
| 再生建設・解体資材 | 買収・事業売却の影響を調整した9カ月間の数量は、3分の1増の740万トンとなった。 |
低炭素製品の売上構成比が拡大
Holcimによると、同社のサステナブル製品への需要は引き続き増加した。2026年の最初の9カ月間、低炭素セメント「ECOPlanet」はセメント純売上高の43%を占め、2025年の同期間の36%から上昇した。
低炭素コンクリート「ECOPact」は生コン純売上高の33%を占め、前年同期の32%を上回った。いずれの比較も、買収・事業売却による前年同期比の影響を除いた一定の事業範囲を基準としている。
代替燃料の利用もコスト戦略の一環だ。Gutovic氏は、欧州での代替燃料使用率が9月に70%を超え、2030年までに90%を目指すと述べた。また、投入コストの上昇は2027年の価格に影響すると警告し、顧客との値上げに関する協議はすでに始まっているとした。
地域別数値が示す成長指標の重要性
欧州ではドイツ、ギリシャ、ルーマニア、スペイン、スイスが売上動向をけん引した。欧州の第3四半期外部売上高はスイスフラン建てで17.0%増、オーガニックベースで3.9%増となった。一方、ラテンアメリカではそれぞれ36.7%増、6.3%増を記録した。
アジア、中東、アフリカは異なる様相を示した。外部売上高はスイスフラン建てで5.5%減となったが、オーガニックベースでは6.8%増加した。したがって、報告上の減少は、同社のオーガニック指標での縮小を意味しない。
Holcimは、欧州でのインフラ案件の強固なパイプラインが見通しを支えると指摘した。こうした将来的な需要は、継続するエネルギー価格や投入コストの圧力と併存しており、それらを解消するものではない。
Fermacellとの合意で買収案件が拡大
Holcimは2026年の最初の9カ月間に10件の買収と1件の事業売却を完了した。これとは別に、8月にはJames Hardie IndustriesからFermacellを買収する契約を締結した。
Fermacellの買収により、Holcimの欧州における壁材、床材、防火製品のポートフォリオが拡充される。取引はまだ完了しておらず、通常の条件および規制当局の承認が必要で、完了は2027年上半期を見込んでいる。
結論
Holcimの次の課題は、引き上げた2026年の利益成長率目標、マージン目標、キャッシュフロー見通しを達成することだ。Fermacell買収は別の節目となり、承認やその他の条件を満たしたうえで、2027年上半期の完了が見込まれている。
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