鉄道車両・サービス供給会社のワブテックは10月21日、第3四半期に受注残が拡大し、9月30日時点で複数年にわたる受注が前年同期比で58億6,000万ドル増加したと発表した。四半期売上高と利益の増加に加え、通期の調整後利益見通しも引き上げた。
主なポイント
- 為替変動の影響を除く複数年受注残は21.4%増加。
- 第3四半期の売上高は8.1%増の31億2,000万ドル、調整後1株当たり利益は22.0%増加。
- ワブテックは2026年の調整後EPS見通しを引き上げてレンジを縮小する一方、売上高予想は据え置いた。
目次
ワブテックの受注残拡大で売上高の見通しが向上
ワブテックの第3四半期決算発表によると、12カ月受注残は前年同期比で7億3,000万ドル増加した。為替変動の影響を除くと、複数年受注残は54億6,000万ドル、率にして21.4%増加した。
これらの金額は前年同期比の増加額であり、受注残の総額ではない。この違いは重要だ。同社が報告した複数年受注残の58億6,000万ドル増は、未消化案件の総額ではなく、受注残の拡大幅を示している。
ワブテックは、複数年受注残が引き続き高い売上高の見通しをもたらしていると述べた。受注は将来の売上機会を支えるものの、すでに認識された売上ではない。また、プロジェクトの実施時期は同社が挙げるリスクの一つである。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 第3四半期の営業キャッシュフロー | 4億5,500万ドル(前年は3億6,700万ドル) |
| 9月30日時点の有利子負債総額 | 63億8,000万ドル |
| 9月30日時点の利用可能流動性 | 20億9,000万ドル(うち16億1,000万ドルは信用枠) |
| 第3四半期の自社株買い | 3億500万ドル |
| 第3四半期の配当支払額 | 5,200万ドル |
貨物輸送部門と旅客輸送部門がともに四半期売上高を押し上げ
第3四半期の売上高は31億2,000万ドルとなり、前年同期比8.1%増加した。GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は33.7%増の2.42ドル、調整後希薄化後EPSは22.0%増の2.83ドルだった。
貨物輸送部門の売上高は6.9%増加した。サービス部門は中核需要と近代化関連の納入増が寄与した。デジタル部門の売上高は、Frauscher Sensor Technologiesの買収と中核デジタル需要に支えられ、24.2%増加した。機器売上高は0.3%増にとどまり、鉱業向け販売の増加が機関車納入の減少に一部相殺された。
旅客輸送部門の売上高は11.3%増加した。Dellner Couplersの買収に加え、新車向け機器およびアフターマーケットの販売増が寄与した。為替変動は同部門の売上高を押し下げており、為替一定ベースの増加率は12.5%だった。
GAAPベースの営業利益率は20.0%となり、調整後営業利益率は1.9ポイント上昇して22.9%となった。ワブテックは、利益率の改善について、売上高の伸びと売上総利益率の向上が要因だと説明した。
利益見通しを引き上げ、売上高予想は据え置き
経営陣は2026年の調整後EPS見通しを引き上げ、レンジを10.85~11.05ドルに縮小した。中央値は0.20ドル引き上げられた。修正後の中央値は前年から22.0%の増加を意味する。
通期売上高予想は123億~126億ドルに据え置いた。レンジ中央値では11.5%の増加に相当する。この組み合わせにより、売上高の予想レンジを拡大せずに、調整後利益の見通しが引き上げられた。
調整後EPSは非GAAP指標である。ワブテックは、リストラクチャリング費用、買収関連費用およびその他特定の費用について、発生時期と影響が不確実なため、合理的な確度をもって予想をGAAPベースのEPSに調整できないと述べた。
結論
ワブテックでは、受注残の拡大に売上高と利益率の向上が伴っており、需要を示す指標が受注残だけにとどまったわけではない。次の焦点は、据え置かれた売上高予想レンジと引き上げられた調整後利益目標に対し、通期実績がどこまで達するかだ。
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