Johnson & Johnsonは2026年10月23日、少なくとも1種類の前治療を受けた再発または難治性多発性骨髄腫の成人を対象に、TECVAYLI単剤療法が欧州委員会の承認を取得したと発表した。この決定により、単剤療法は二次治療の段階で使用可能となり、従来の欧州適応で求められていた少なくとも3種類の前治療から対象が広がる。
要点
- 今回の承認により、初回再発時から使用できる単剤のテクリスタマブ治療という選択肢が加わる。
- MajesTEC-9試験では、試験で用いられた標準治療と比べ、病勢進行または死亡のリスクと死亡単独のリスクが低かった。
- 改訂された添付文書では7カ月目から月1回投与が導入され、適格な患者はそれより早く移行できる場合がある。
目次
TECVAYLI単剤療法が二次治療の選択肢を拡大
適応拡大の対象となるのは、TECVAYLIの商品名で販売されているテクリスタマブの単剤使用である。これに先立ち、欧州委員会は2026年8月、テクリスタマブとダラツムマブの併用療法を、早ければ二次治療で使用することを承認していた。
この違いは重要だ。患者が初回治療を受けた後に、医師が単剤療法と併用療法の両方を選べるようになった。多発性骨髄腫は骨髄中の形質細胞が関与する血液がんであり、再発は治療後に病気が再び現れることを指す一方、難治性は治療に十分反応しない状態を指す。
テクリスタマブは、皮下注射で投与する調製済みの二重特異性抗体である。BCMAとCD3の標的に結合し、T細胞を骨髄腫細胞に向かわせる。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 18カ月時点の無増悪生存率 | テクリスタマブ群69.8%、比較レジメン群26.9%。 |
| 18カ月時点の全生存率 | テクリスタマブ群79.2%、比較レジメン群68.6%。 |
| 完全奏効以上 | テクリスタマブ群65.9%、比較レジメン群16.8%。 |
第3相試験で生存上の利益を確認
承認は、レナリドミドと抗CD38モノクローナル抗体を含む1~3ラインの前治療を受けた患者を対象とする、現在も進行中の無作為化第3相試験MajesTEC-9に基づいている。比較対象は、ポマリドミド、ボルテゾミブ、デキサメタゾンの併用、またはカルフィルゾミブとデキサメタゾンの併用だった。
Johnson & Johnsonが2026年5月に発表したMajesTEC-9試験結果では、比較レジメンに対し、テクリスタマブによって病勢進行または死亡のリスクが71%、死亡のリスクが40%低下したと詳述された。これらは試験期間中の相対リスク低下率であり、治癒した患者の割合ではない。
18カ月時点で、同試験では無増悪生存率と全生存率が高く、完全奏効以上を達成した患者の割合も大きかった。
有効性の向上に伴い重度感染症の発生率も上昇
同社は、安全性所見はテクリスタマブで確立されたプロファイルと一貫していると説明した。ただし、グレード3または4の有害事象はテクリスタマブ投与群の84.9%に発生し、比較レジメン群では76.3%だった。グレード5、すなわち致死的な有害事象の発生率は、それぞれ6.5%と3.5%だった。これらの数値だけで治療との因果関係が確立されるわけではない。
グレード3または4の感染症はテクリスタマブ群でより多く、発生率は41.6%対29.0%だった。グレード3以上の感染症発生率は時間の経過とともに低下した。テクリスタマブの治療期間中央値も標準治療より長く、13.1カ月に対して7.0カ月だった。
投与スケジュールの改訂で治療頻度を低減
改訂された添付文書は、既存の単剤療法の適応および投与方法に関する指示に置き換わる。7カ月目以降は月1回投与となり、適格な患者は早ければ3カ月目から月1回投与に移行できる。
投与頻度の低下により、適格な患者の通院回数が減る可能性があるが、発表ではその効果は定量化されていない。テクリスタマブは引き続き、欧州医薬品庁の要件に基づく追加モニタリングの対象となる。
結論
今回の承認により、初回再発時におけるJohnson & Johnsonの欧州での骨髄腫治療の選択肢が広がる。MajesTEC-9試験は現在も進行中であり、今後注目されるのは、より長期の生存および安全性に関する追跡結果だ。発表では次回のデータ更新時期は示されていない。
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