NVIDIAは10月22日、GTC Berlinで、Revolutが当初8,000万人の顧客向けにPRAGMA基盤モデルを本番環境で拡大していると発表した。その他のプロジェクトには、銀行独自のモデル、決済業務、高速化されたデータ処理が含まれ、稼働中のシステムから開発作業、オフラインテストまで幅広い。

主なポイント

  • RevolutのPRAGMAは当初8,000万人の顧客に提供されており、その3倍の規模まで拡張できるよう設計されている。
  • 銀行や決済事業者は、自社データ、オープンウェイトモデル、高速化インフラを活用し、独自のインテリジェンスを開発している。
  • NVIDIAは大幅な処理性能の向上を報告した。これには、Stripeのオフラインテストで得られた、データパイプラインの処理速度42倍、コスト削減率92%という結果が含まれる。

目次

欧州の金融AIが本番稼働へ

Revolutは、PRAGMAを単一の基盤モデルとして、技術スタックを再構築している。NVIDIAによると、同社はcuDFツールキットとDynamo-TritonソフトウェアをBlackwell Ultra GPU上で使用し、本番環境でシステムを拡張している。発表された3倍の拡張能力はエンジニアリング上の目標であり、現在の顧客基盤が実際に拡大したとの報告ではない。

今回の発表では、自社の取引記録を基にインテリジェンスを構築する金融機関も取り上げられた。Starling Bankは、銀行の取引データを用い、Civoの英国クラウド上で、AI機能の基盤となるレイヤー「Starling Intelligence」を開発した。NVIDIAは、Starlingが英国の主権クラウドインフラ上でエージェント型モデルを訓練した初の銀行だと説明した。

Lloyds Banking Groupは、数十億件の銀行取引を再利用可能なインテリジェンスに変換する取引基盤モデル「ATUM」を構築した。NVIDIAによると、RTX PRO 6000 Blackwell GPUが同モデルを高速化しており、銀行全体のユースケースで効率性が向上している。別途、SBSは、銀行がデータを自社の管理領域外に移すことなく生成AIモデルやエージェント型モデルを稼働できるよう設計された、主権型銀行インテリジェンス・プラットフォームを立ち上げた。

オープンモデルがアシスタントと特化型ワークロードを支援

ネオバンクbunqのアシスタント「Finn」は、現在オープンウェイトモデルで稼働している。NVIDIAによると、Nebius上での導入では、回答1件当たりのコストが60%で、主要なクローズドモデルと同等の品質を実現している。この数値は相対的なコストを示すもので、コストが60%削減されたという意味ではない。

その他のプロジェクトは開発段階にある。NatWestは、NVIDIAの音声モデル(Nemotron 3.5 ASRなど)を用いて、英国のアクセントや方言、金融用語を認識する音声技術を開発している。Modulrは、オープンモデルのNemotron-3-Ultra-550Bを基に、さまざまな決済業務に特化したモデルを開発中だ。

Santanderは、構造化された金融データ向けの新しいオープンウェイト基盤モデル群「NVIDIA Kumo」の早期導入企業だ。同社はこれらのモデルを使い、中核的な銀行業務向けの特化型インテリジェンスを構築している。

金融リサーチに高速なデータツール

LSEGはNVIDIAと協力し、金融機関が大量の過去のティックデータを最大10倍の速さで分析できるよう取り組んでいる。この取り組みでは、RTX PRO 6000 Blackwell GPU上でcuDFにより高速化されたPolars GPUエンジンを使用する。

RavenPackは、微調整済みのNVIDIA Nemotronモデルを用いて、Bigdata.com上にデータセット生成パイプラインを構築した。平易な言葉で表現されたリサーチ仮説を受け取り、バックテストにすぐ使えるラベル付きデータセットを返す。このデータセットを投資家は、市場トレンドの特定、分析、可視化に活用できる。

不正検知処理の改善にはオフラインテストの結果も

HSBCはStarburst EnterpriseのGPU Engineを利用し、リスクや不正を最小限に抑えながら、ほぼリアルタイムの顧客インサイトとオンデマンドの意思決定を支援している。NVIDIAは、データ処理速度が5倍になったと報告した。

Stripeの結果は、オフラインテストに限られることが明記されている。NVIDIAによると、GPUで高速化されたRay Dataにより、これらのテストでStripe Radarの不正検知プラットフォームのデータパイプライン処理速度は42倍となり、コストは92%削減された。報告された改善は機械学習のデータパイプラインに関するものであり、不正検知精度の定量的な向上を示すものではない。

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