定義
分散型金融(DeFi)とは、取引、貸し付け、借り入れなどの金融サービスを、銀行や証券会社といった中央の仲介者を通さず、ブロックチェーン上のスマートコントラクトで提供する仕組みの総称です。
仕組み
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上に保存され、ユーザーが取引を送ると書かれたとおりに実行されるプログラムです。DeFiアプリケーションはスマートコントラクトを使って、トークンのスワップ、貸し借り、利息の獲得、デリバティブの取引などを行います。ユーザーは自分のウォレットを接続して取引を1件ずつ承認し、コントラクトに預け入れるまでは資産を自分で管理します。ほとんどのアプリケーションでは口座開設や審査は不要で、必要なのはウォレットと、ガス代を払うためのネットワークのコインだけです。
貸し借りを見ると、この仕組みがどのようにルールを強制するかがわかります。借り手は借入額より価値の大きい担保をロックします。担保価値が下がりすぎると、コントラクトはほかのユーザーが債務の一部を返済し、担保を割引価格で受け取れるようにします。これを強制決済(清算)と呼びます。価格は、外部の市場データをブロックチェーンに取り込むサービスであるオラクルから提供されます。DeFiの規模は、コントラクトに預けられた資産の価値である預かり資産総額(TVL)で測られることが多く、これはトークン価格の上下によっても変動します。
リスクは銀行とは異なるだけで、ないわけではありません。コードのバグが悪用されたり、オラクルが誤った価格を伝えたり、偽物やコピーのアプリケーションが、承認を与えたウォレットから資産を抜き取ったりすることがあります。通常は預金保険もなく、誤った取引を取り消してくれる窓口もありません。
具体例(仮定の数値)
あるレンディングアプリでは、コインAを担保に借り入れができ、債務が担保価値の80%に達すると強制決済されるとします。
コインAを10,000ドル分預け入れ、ステーブルコインを5,000ドル借りると、借入比率(LTV) = 5,000ドル ÷ 10,000ドル = 50%です。
強制決済が始まるのは担保価値が5,000ドル ÷ 0.80 = 6,250ドルになったときで、下落率は(10,000ドル − 6,250ドル) ÷ 10,000ドル = 37.5%です。
この例から、DeFiの融資はコードによって執行されることがわかります。コインAが37.5%下落すれば、事前の警告もなく自動的に強制決済が行われる可能性があります。
よくある間違い
- 監査済みのコードなら、ハッキングされることもバグもないと考える
- よく知らないアプリやコピーのアプリに、トークンの無制限の使用を承認する
- TVLが大きいことを、アプリケーションが安全である証拠と読む
- 利回りがどこから生まれるのかを確かめずに、宣伝されている利回りを比較する
関連する計算ツール
この用語集は学習を目的としたもので、投資助言ではありません。例に示した数値はすべて仮定のものです。