定義
移動平均とは、直近の一定期間における資産の平均価格のことです。期間ごとに計算し直されるためチャートに沿って動き、短期的な値動きをならします。
仕組み
単純移動平均(SMA)は、直近N期間の終値を合計してNで割ったもので、SMA = 直近N期間の終値の合計 ÷ Nです。新しい期間が加わるたびに、最も古い価格が外れ、最新の価格が加わります。指数平滑移動平均(EMA)は、直近の価格により大きな重みを置き、2 ÷ (N + 1)の係数を使います:今日のEMA = 前日のEMA + (今日の終値 − 前日のEMA) × 係数。その結果、EMAは同じ期間のSMAより新しい価格に速く反応します。
よく使われる期間は20日、50日、200日です。トレーダーはこれらを、トレンドの方向を判断する材料や、チャート上の目安となる水準として使います。50日線が200日線を上抜けるように、短期の平均線が長期の平均線を上抜けることをゴールデンクロス、下抜けることをデッドクロスと呼びます。
移動平均は遅行指標です。過去の価格から作られるため、値動きが始まった後でしかその動きを確認できません。横ばいの相場では価格と平均線が何度も交差し、多くのダマシのシグナルが出ます。チャートによって使う価格や設定が異なることもあるため、数値は情報源によってわずかに異なることがあります。
具体例(仮定の数値)
銘柄Xの5日間の終値が20ドル、21ドル、22ドル、21ドル、26ドルだったとします。
5日SMA = (20ドル + 21ドル + 22ドル + 21ドル + 26ドル) ÷ 5 = 110ドル ÷ 5 = 22.00ドル
翌日の終値が27ドルで、20ドルが外れると:(21ドル + 22ドル + 21ドル + 26ドル + 27ドル) ÷ 5 = 117ドル ÷ 5 = 23.40ドル
22.00ドルから始める5日EMAは、2 ÷ (5 + 1) ≈ 0.333の係数を使います:22.00ドル + (27ドル − 22.00ドル) × 0.333 ≈ 23.67ドル
EMAはSMAより新しい価格に強く反応しますが、どちらも最新の終値27ドルを大きく下回っています。
よくある間違い
- とくに横ばいの相場で、すべてのクロスを信頼できるシグナルとみなす
- あるチャートのSMAを、別のチャートの同じ期間のEMAと比較する
- 移動平均は、価格がすでに動いた後でしか反応しないことを忘れる
この用語集は学習を目的としたもので、投資助言ではありません。例に示した数値はすべて仮定のものです。