Hydroの2026年第3四半期は業績が改善し、調整後EBITDAは前年同期比52%増の90億8,900万ノルウェー・クローネ(NOK)となった。アルミニウム価格の上昇と製錬所の堅調な操業が収益性を支えたが、運転資本需要の増加により、フリーキャッシュフローは14億ノルウェー・クローネにとどまった。
主なポイント
- 調整後EBITDAは、前年同期の59億9,600万ノルウェー・クローネから90億8,900万ノルウェー・クローネに増加した。
- Hydroは年末の設備投資見通しを引き下げる一方、運転資本の予想を引き上げた。
- Alunorteは通常操業を再開し、Slovalcoはアルミニウム生産の段階的な再開に着手した。
目次
- Aluminium MetalがHydroの利益をけん引
- 利益が拡大する一方で運転資本が現金を吸収
- Alunorteが回復、Slovalcoは生産を再開
- HalZeroが初の金属を生産、産業利用はなお数年先
- 結論
Aluminium MetalがHydroの利益をけん引
調整後1株当たり利益は、2025年第3四半期の1.0ノルウェー・クローネから2.3ノルウェー・クローネに増加した。報告純利益は52億6,300万ノルウェー・クローネとなり、直近12カ月の平均使用資本利益率(調整後)は12.5%だった。
利益を最も大きく押し上げたのはAluminium Metalで、金属価格全般の上昇と、Hydroのノルウェー国内製錬所における溶湯生産の過去最高記録が寄与した。エネルギー費と炭素コストの上昇、販売数量の減少、ノルウェー・クローネに対する米ドル安が、これらの増益効果を一部相殺した。
グループ内の改善状況にはばらつきがあった。Bauxite & Aluminaは前年同期比でアルミナ販売価格が低下し、ガス調達コストが上昇した一方、Energyは地域ごとの電力価格差により損失を計上した。Extrusionsはリサイクルマージンの拡大と販売数量の増加が追い風となった。
2026年第2四半期との比較では、グループの調整後EBITDAは89億2,300万ノルウェー・クローネから増加した。金属およびアルミナ価格の上昇と固定費の減少が、エネルギーコストの増加や、季節要因によるExtrusionsの販売数量およびマージンの低下を上回った。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| Bauxite & Aluminaの調整後EBITDA | 2026年第3四半期:2億8,300万ノルウェー・クローネ、2025年第3四半期:12億9,000万ノルウェー・クローネ。 |
| Energyの調整後EBITDA | 2026年第3四半期:4億1,100万ノルウェー・クローネ、2025年第3四半期:8億2,800万ノルウェー・クローネ。 |
| Aluminium Metalの調整後EBITDA | 2026年第3四半期:70億3,100万ノルウェー・クローネ、2025年第3四半期:27億3,200万ノルウェー・クローネ。 |
| Metal Marketsの調整後EBITDA | 2026年第3四半期:1億2,500万ノルウェー・クローネ、2025年第3四半期:1億5,400万ノルウェー・クローネ。 |
| Extrusionsの調整後EBITDA | 2026年第3四半期:11億8,900万ノルウェー・クローネ、2025年第3四半期:11億700万ノルウェー・クローネ。 |
利益が拡大する一方で運転資本が現金を吸収
Hydroのフリーキャッシュフロー14億ノルウェー・クローネは、営業利益と現金創出の差を反映した。金属価格の上昇により運転資本に拘束される資金が増え、前払いも重なった。経営陣は、キャッシュ転換の改善と運転資本効率の向上が引き続き優先課題だと述べた。
同社は年末の設備投資見通しを135億ノルウェー・クローネから約125億ノルウェー・クローネに引き下げた。同時に、純運転資本の見通しを300億ノルウェー・クローネから約320億ノルウェー・クローネに引き上げた。これらは経営陣による最新の予測であり、年末に確定した実績ではない。
それでも、四半期中に純有利子負債は減少し、第2四半期末の163億ノルウェー・クローネから154億ノルウェー・クローネとなった。調整後純有利子負債も228億ノルウェー・クローネから219億ノルウェー・クローネに減少した。
Alunorteが回復、Slovalcoは生産を再開
天然ガス供給の混乱により、アルミナ精製所Alunorteの生産が一時的に減少した。Hydroは代替となる液化天然ガスの供給を確保し、通常操業を再開したが、この混乱によってエネルギーコストは上昇した。
Slovalcoは、長期的な枠組み条件についてスロバキア政府と7月に合意した後、8月下旬に一次アルミニウム生産の再開に着手した。同施設の生産能力は、2022年の欧州エネルギー危機の際に縮小されていた。
再開の第1段階では、2027年2月末までに年間生産能力を7万5,000トンとすることを目標としている。これは計画上の能力目標であり、すでに達成された生産水準ではない。
HalZeroが初の金属を生産、産業利用はなお数年先
四半期の操業実績とは別に、Hydroが10月19日に発表したHalZero開発の進捗では、ノルウェーのポルスグルンにある試験施設で、新たな電解技術を用いて初めてアルミニウムを生産したことが明らかにされた。
このプロセスは、炭素と塩素を閉ループ内で循環させることで、電解と陽極製造に伴う二酸化炭素排出をなくすことを目指している。Hydroは、現在の試験段階ではなお二酸化炭素が発生しており、産業利用の可能性が出てくるまでには数年間の試験とパイロット運転が必要だと説明した。
Enovaは次段階となる産業コンセプト実証パイロットの開発支援として、追加で8,200万ノルウェー・クローネを交付した。この節目は技術の進展を示すものであり、商業化の準備完了や、排出ゼロの生産システムの完成を意味するものではない。
結論
金属関連の利益拡大がHydroの収益性を押し上げた一方、現金転換は引き続き制約となった。次の注目点は、改定後の年末設備投資目標と運転資本目標、続いて2027年2月に予定されているSlovalcoの第1段階の生産能力目標だ。
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