融資マージンの拡大と貸倒引当金繰入額の減少が利益を支え、貸出金の伸びが小幅にとどまるなか、ファースト・マーチャンツの2026年第3四半期利益は増加した。10月22日に発表された決算によると、普通株主に帰属する純利益は6,780万ドル、希薄化後1株当たり1.09ドルとなり、前年同期の5,630万ドル、同0.98ドルから増加した。
主なポイント
- 純金利マージンは6ベーシスポイント拡大して3.44%となり、四半期の純金利収入を押し上げた。
- 第3四半期の貸倒償却の大半は、引当金がすでに計上されていた、以前から特定されていた2件の問題債権に関連していた。
- 経営陣は、第4四半期のマージン安定、貸出金の伸び加速、自社株買いの増加を見込んでいる。
目次
マージン拡大がファースト・マーチャンツの利益を押し上げる
同行の第3四半期投資家向けアップデートによると、純金利収入は前四半期から210万ドル増加し、1億6,110万ドルとなった。完全課税等価ベースの純金利マージンは3.38%から3.44%に上昇し、利息収益資産からの収入増がこれを支えた。
調整後1株当たり利益は前年同期比11%増の1.10ドルとなり、調整後税引前貸倒引当金繰入前利益は19%増の8,370万ドルとなった。これらの調整後指標は報告ベースの利益とは異なり、特定項目を除外している。
貸倒引当金繰入額の減少も、前四半期比の利益改善に大きく寄与した。繰入額は第2四半期の3,300万ドルから330万ドルに減少し、報告ベースの希薄化後1株当たり利益は0.70ドルから増加した。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 2026年9月30日時点の総資産 | 211億ドル |
| 有形普通株式資本比率 | 8.83%、6月30日時点の8.99%から低下 |
| 総リスクベース資本比率 | 13.58%、6月30日時点の12.98%から上昇 |
| 1株当たり有形簿価 | 28.86ドル、その他の包括利益累計額の影響により前四半期比3.2%減 |
| 第3四半期に完了した自社株買い | 287,431株、1,200万ドル |
預金の伸びが小幅な貸出増を上回る
オーガニック貸出金は四半期中に7,020万ドル増加し、年率換算で1.8%の伸びとなった。オーガニック預金は1億7,560万ドル、年率換算で4.2%増加し、貸出金より資金調達の伸びが速かった。
商業融資はおおむね横ばいだった。返済に加え、スポンサー・ファイナンスおよびシンジケート・ナショナル・クレジットのポートフォリオを意図的に縮小したことが、他分野の貸出実行を相殺した。消費者向け融資は年率換算9.5%増加したものの、四半期末には消費者向け融資の案件パイプラインが弱含んだ。
マイク・スチュワート社長は、返済と予定されている与信案件の退出が落ち着くにつれ、第4四半期には貸出金の伸びが年率換算で中位1桁台に戻ると経営陣は予想していると述べた。スチュワート氏は消費者向け住宅ローンを弱い分野として挙げ、住宅ローン金利の高止まりが住宅購入を鈍らせ、借り換えもほぼ見られない状況だと説明した。
既存の引当金が問題債権の処理を下支え
第3四半期の純貸倒償却額は2,940万ドルで、そのうち約2,900万ドルは以前から特定されていた2件の問題債権に関連していた。経営陣によると、これらの債権に対する引当金はすでに計上されていたため、多額の貸倒償却があっても同程度に大きな新規の引当金繰入れは必要なかった。
ジョン・マーティン最高与信責任者は、通期の純貸倒償却率が38~40ベーシスポイント程度となり、従来の40~45ベーシスポイントという見通しの下限近くに収まるとの予想を示した。また、新たに延滞利息不計上となった約2,200万ドルの貸出金が、全額貸倒償却されるわけではないと明らかにした。
2027年について、マーティン氏は、より正常化した貸倒償却率を20~25ベーシスポイントと見込み、従来の15~20ベーシスポイントという予想を上回る水準を示した。経営陣は、第4四半期の引当金計上は、特定された債権に対する新たな個別引当金よりも、主にポートフォリオの成長に関連するものになると予想している。
マージン安定の見通しと経費基盤の上昇
経営陣は、第4四半期の純金利マージンが安定すると予想している。貸出利回りの上昇と資産の金利改定が利息収入を支える一方、劣後債の利息費用が四半期を通じて発生することで、マージンへの押し上げ効果が相殺される見込みだ。
買収関連費用を除くと、非金利費用は前四半期比390万ドル増加した。マーケティング費用、健康保険費用の増加、および建物賃貸借契約の減損が増加要因となった。経営陣は第3四半期の費用水準を第4四半期の妥当な基準とし、2027年にはさらに3%~5%増加すると予想した。
同行はまた、第4四半期と、場合によっては2027年第1四半期にも自社株買いが高水準になると見込んでおり、劣後債の調達資金の一部を買い戻しに充てる意向だ。ただし、これは経営陣の計画であり、完了した自社株買いではない。
結論
第4四半期の業績では、ファースト・マーチャンツがマージンを安定させ、特定された問題債権を処理しながら、貸出を加速できるかが明らかになる。経営陣の見通しには、営業費用基盤の上昇と並行した自社株買いの増加も含まれている。
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