ブリストル・マイヤーズ スクイブが2026年10月23日に公表したZola-cel試験結果には、初期段階の多発性硬化症試験で治療を受けた患者が敗血症性肺炎により死亡した事例が含まれていた。同日の昼の取引で株価は2%下落した。同社は予備的な有効性の所見と併せて死亡事象を説明したが、発表では治験薬が死亡の原因であるとは確認されていない。
主なポイント
- 患者は点滴投与から44日後、遅発性の運動症状を呈し、複数の薬剤による治療を受けた後に死亡した。
- ブリストル・マイヤーズは、第1相自己免疫疾患試験で治療を受けた190人の患者について、これ以外に死亡に至った有害事象はなかったと報告した。
- 初期の有効性所見は、主に安全性評価を目的とした単群試験から得られたものであり、対照群との比較ではない。
目次
Zola-cel試験の公表内容、死亡事象の詳細
ブリストル・マイヤーズのBreakfree-2中間結果の発表によると、活動性の高い再発型多発性硬化症の患者1人が、試験のデータカットオフ後に敗血症性肺炎による死亡事象を起こした。正式名称をゾラカブタゲン・オートロイセルというZola-celは、CD19を標的とする治験中のCAR T細胞療法である。
点滴投与後、患者には遅発性の運動症状が現れた。同社はこれを非ICANSと説明し、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群とは区別した。間欠的なコルチコステロイド投与と免疫グロブリンの静脈内投与でも、これらの症状は解消しなかった。
同社によると、患者のCAR T細胞の増殖は試験全体で観察されたものと一致していた。その後、高用量のシクロホスファミドが投与され、患者は敗血症性肺炎を発症し、翌日、点滴投与から44日後に死亡した。
ブリストル・マイヤーズは、190人が第1相試験で治療を受けたZola-celの自己免疫疾患プログラム全体で、グレード5、すなわち死亡に至った有害事象はほかになかったと報告した。この広範な合計は、学会で発表された多発性硬化症コホートの規模を示すものではない。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 多発性硬化症試験の対象集団 | 活動性の高い再発型MS患者30人と進行型MS患者36人。 |
| 過去の治療 | 患者が受けた疾患修飾療法の中央値は2種類。 |
| サイトカイン放出症候群 | 66人中28人で報告され、すべての事象が中央値2日で消失。 |
| ICANS | 66人中5人で報告され、グレード4の事象1件は4日以内に消失。 |
初期の有効性シグナルには、より長期の追跡調査が必要
MSToronto 2026で発表された多発性硬化症の結果は、過去に治療を受けたにもかかわらず、疾患活動性の継続または障害の悪化が見られた66人を対象としていた。Breakfree-2は用量漸増を行う単群試験で、主要評価項目は安全性、副次評価項目は有効性である。
最終追跡調査時点で、用量レベル2の治療を受けた60人全員が疾患修飾療法を中断した状態を維持しており、そのうち9人は12カ月を超える追跡調査を受けていた。これらの所見は、その後公表された死亡事象より前のものだった。
評価可能な進行型多発性硬化症患者では、24人中22人で障害の進行が安定または改善し、24人全員で新たなMRI活動性は認められなかった。これらは特定の追跡調査集団における予備的な所見であり、比較治療に対する有益性を証明するものではない。
公表当日の取引で株価が下落
ブリストル・マイヤーズ株は10月23日の昼の取引で2%下落した。これは日中の値動きであり、終値ベースの結果ではない。また、発表のタイミングだけから、下落のうちどの程度が臨床試験の公表に起因したかを判断することはできない。
今回の開発は治験中の治療に関するものであり、承認済みの多発性硬化症治療薬ではない。同社が治療の安全性と潜在的な有益性の評価を続けるなか、初期の有効性所見と死亡事象は併せて検討する必要がある。
結論
今後注目すべき次の重要な進展は、継続中の第1相プログラムにおける安全性と有効性の追加追跡調査である。10月23日に公表された所見は、Zola-celと死亡との因果関係も、治療効果が実証されたことも示していない。
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