定義
分散投資とは、値動きが完全には連動しない異なる資産に資金を分けることで、1つの保有資産で大きな損失が出ても、ポートフォリオ全体への影響を小さくすることです。
仕組み
この考え方は相関に基づいています。相関とは、2つの資産のリターンがどれだけ連動して動くかを−1から+1で表す指標です。相関が低いか負の資産を組み合わせると、一部の損失がほかの資産でいくらか相殺されやすく、ポートフォリオ全体の振れ幅は個々の資産より小さくなります。ほぼ同じように動く資産をいくつ加えても、効果はほとんどありません。
分散投資で減らせるのは、製品の失敗、不正、ハッキングなど、1つの企業や1つのプロジェクトに関わる固有リスク(個別リスク)です。景気後退や金利の急上昇のように、ほぼすべてに同時に影響する市場リスクは取り除けません。インデックスファンドやETFは、1つの商品で多くの企業を保有する一般的な方法です。
相関は固定されたものではありません。危機の際には、分散が最も必要なときにこそ多くの資産が一緒に下落し、相関が高まりやすくなります。暗号資産では多くのコインが似た動きをしやすいため、複数のコインを持っていても、見かけほど分散されていないことがあります。分散には上昇局面でのコストもあり、分散されたポートフォリオでは、最も値上がりした資産の比重が小さくなります。
具体例(仮定の数値)
10,000ドルを持っており、X社の株がその会社固有の問題で60%下落したとします。
10,000ドルすべてをX社に投資していれば、損失は10,000ドル × 60% = 6,000ドルです。
資金を10社に均等に分け、X社だけが下落した場合、損失は1,000ドル × 60% = 600ドルで、ポートフォリオの6%です。
逆に市場全体の下落ですべての保有資産が30%下がれば、どちらのポートフォリオも10,000ドル × 30% = 3,000ドルを失います。
資金を分けたことで1社の問題による損害は限定されましたが、すべてに同時に及ぶ下落による損害は抑えられませんでした。
よくある間違い
- ほぼ同じように動くコインや株を多数保有して、分散していると考える
- 市場全体の下落でも、分散投資によって損失を防げると期待する
- 平穏な時期に測った相関が、危機の際にも保たれると考える
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この用語集は学習を目的としたもので、投資助言ではありません。例に示した数値はすべて仮定のものです。