Metaは2026年第3四半期もAIへの支出を高水準に維持した。売上高は投資家予想を上回ったものの、98億9,000万ドルの法務費用が収益性を圧迫した。10月21日に発表された決算によると、売上高は26%増の646億ドルとなり、営業利益は37%減の129億9,000万ドルだった。また同社は、既存の議決権を維持しながら資金調達を支えるため、新たな種類の議決権のない株式を承認した。
主なポイント
- 和解費用が営業利益を押し下げた一方、税負担の減少により純利益は前年から増加した。
- Metaは2026年の設備投資見通しを1,350億~1,450億ドルに絞り込んだ。
- 条件付き株式配当では、既存株式1株につき議決権のないクラスC株式1株を株主に付与する。
目次
売上高の伸びと法務費用で利益動向に差
Metaの2026年第3四半期決算によると、広告活動の活発化が売上高の増加につながった。広告表示回数は前年同期比10%増加し、広告単価の平均は14%上昇した。9月のアプリファミリー全体の日次利用者数は平均36億4,000万人で、3%増加した。
和解費用を含む費用総額は68%増の516億1,000万ドルとなった。営業利益率は前年同期の40%から20%に縮小した。Metaによると、費用を除いた場合の営業利益は、報告値の129億9,000万ドルではなく228億8,000万ドルだった。
それでも純利益は264%増の98億6,000万ドルとなり、希薄化後1株当たり利益は3.83ドルだった。これは営業利益の減少と矛盾するものではない。法人税等の費用が前年同期の189億5,000万ドルから31億4,000万ドルに減少したためだ。つまり、税費用が大幅に縮小したことが最終利益を押し上げた。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 2026年第4四半期の売上高見通し | 730億~760億ドル。 |
| 2026年通期の費用見通し | 1,750億~1,790億ドル。第3四半期の法務費用を織り込む。 |
| 第4四半期の為替前提 | 前年同期比の売上高成長率を約1%押し下げる要因。 |
| 第4四半期の税率見通し | 税制環境に変更がない場合、15%~17%。 |
MetaのAI支出で資金需要は高水準を維持
ファイナンス・リースの元本返済を含む設備投資額は、9月期に349億1,000万ドルだった。約410億ドルという投資家予想は下回ったが、営業キャッシュフローの327億9,000万ドルを上回り、フリーキャッシュフローは21億2,000万ドルのマイナスとなった。
Metaは通期設備投資予想を1,300億~1,450億ドルから1,350億~1,450億ドルに絞り込んだ。上限は変えず、下限を引き上げた。経営陣は、2027年も中核事業と新興AI分野への積極投資を継続する見通しを示したが、翌年の予算はなお策定中だとした。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、MuseとMuse Wonderの発表を挙げた。Metaによれば、AI投資はすでに、エンゲージメントの向上、レコメンデーションの改善、収益化の効率化を通じて広告事業を支えている。一方、より新しい取り組みがリターンを生むには、さらに時間がかかるという。
Reality Labsは、利益が確実に見込める段階に近づいているどころか、引き続き損失を計上している。経営陣は、投資の重点を主にAIなど他の優先分野に移すなか、2026年の損失を180億~190億ドル、2027年を約150億ドルと予想した。
和解費用の会計処理と今後の法的リスクは別個
四半期の費用は、10代の若者のメンタルヘルスとソーシャルメディアをめぐる訴訟を解決するため、2026年8月に52人の州司法長官と締結した合意に関連する。この合意では最大約185億9,000万ドルの支払いが定められているが、和解総額と今四半期に計上された費用は異なる指標だ。
これとは別に、ニューメキシコ州の裁判官は、ケンブリッジ・アナリティカ事件に関連する訴訟で、Metaが利用者を欺いたと陪審が認定したことを受け、同社に250億ドルの支払いを命じた。この判決は、今回の決算に含まれる州司法長官らとの和解費用と混同すべきではない。
スーザン・リー最高財務責任者(CFO)は、進行中の法務・規制関連案件が事業や財務業績に重大な影響を及ぼす可能性があると警告した。またMetaは、今後数カ月に予定されている、米国の若年層に関する追加の裁判も挙げた。
議決権のない株式計画で資金調達の柔軟性を拡大
Metaの取締役会は、上場する議決権のないクラスC普通株式を承認した。定款変更は2027年1月19日に発効する予定だ。同社によると、新たな種類の株式は資金調達、従業員報酬、買収、その他の企業目的に利用できる可能性がある。
取締役会は、発行済みのクラスA株式およびクラスB株式1株につきクラスC株式1株を付与する条件付き配当を決議した。基準日と支払日は未定で、配当の実施は定款変更の発効を条件とする。配当自体によって株主の議決権が変わることはなく、現金による資金調達にも当たらない。
結論
次の業績上の基準となるのは、Metaが示した第4四半期の売上高見通し730億~760億ドルであり、法的手続きの継続と多額の投資計画も注目される。株式種類の計画については、配当の基準日と支払日の発表が次の焦点となる。
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