2026年第3四半期のキルロイ決算では、前年同期比で業績が低下したものの、賃貸契約の活動が活発化し、通期の運営資金(FFO)見通しが小幅に引き上げられた。オフィスおよびライフサイエンス施設を賃貸する同社は、希薄化後1株当たりFFOが0.88ドルとなり、約81万5,000平方フィートの賃貸契約を締結した。業績は10月22日に発表され、経営陣による決算説明会は10月23日に行われた。

主なポイント

  • キルロイは2026年のFFO見通しの中央値を希薄化後1株当たり0.01ドル引き上げて3.57ドルとし、予想レンジを縮小した。
  • 賃貸契約は加速したが、契約締結済みで入居開始前の物件があったため、入居済みスペースは小幅に減少した。
  • DIRECTVの今後の契約満了とフラワー・マートにおける追加費用が、2027年の課題となる。

目次

四半期業績が低下するなか、キルロイの決算見通しは改善

キルロイの第3四半期の財務・事業実績を受け、通期FFO見通しは希薄化後1株当たり3.55~3.59ドルに絞られた。従来のレンジは3.49~3.63ドルだった。この変更では、予想レンジの上下限をともに引き上げたのではなく、中央値を1セント引き上げた。

四半期FFOには、和解金および原状回復手数料収入が1株当たり約0.01ドル含まれていた。経営陣によると、更新後の通期見通しの中央値は、第4四半期FFOが1株当たり約0.86ドルとなることを示唆している。

既存物件の現金ベース純営業利益(NOI)は前年同期比で1.5%減少した。和解金および原状回復手数料の減少と、不動産税還付の減少により、成長率は合計で170ベーシスポイント押し下げられた。経営陣は、通期の既存物件の現金ベースNOI成長率の前提を、従来の0.25~1.25%から0.75~1.00%に絞った。

項目詳細
四半期売上高2026年第3四半期:2億7,160万ドル、2025年第3四半期:2億7,970万ドル。
普通株主に帰属する純利益2026年第3四半期:1,550万ドル、2025年第3四半期:1億5,620万ドル。
希薄化後1株当たり利益2026年第3四半期:0.13ドル、2025年第3四半期:1.31ドル。
運営資金(FFO)2026年第3四半期:1億460万ドル、2025年第3四半期:1億3,060万ドル。
希薄化後1株当たりFFO2026年第3四半期:0.88ドル、2025年第3四半期:1.08ドル。

賃貸契約の増加は、まだ稼働率の上昇につながっていない

年初来の賃貸契約面積は175万平方フィートを超え、2025年の最初の9カ月と比べて約44%増加した。第3四半期の契約には、従来空室だったスペースの新規賃貸契約34万5,000平方フィート、入居中スペースの新規契約12万7,000平方フィート、更新契約34万3,000平方フィートが含まれる。

更新契約には、クロッシング900におけるボックスとの約24万3,000平方フィートを対象とする12年間の契約が含まれていた。短期契約を除く、比較可能な第2世代賃貸契約全体では、GAAPベースの賃料は従前の水準から30.6%上昇し、現金賃料は9.7%上昇した。

安定稼働ポートフォリオの賃貸率は9月30日時点で83.0%となり、前四半期から150ベーシスポイント上昇した一方、稼働率は10ベーシスポイント低下して76.9%となった。この差が重要なのは、賃貸契約を締結しても、テナントの入居や賃料の支払いが直ちに始まるわけではないためだ。

契約締結済みだが入居開始前の賃貸契約は140万平方フィートを超え、年換算ベース賃料は約1億100万ドルに達し、前四半期から2,200万ドル増加した。経営陣は、年換算ベース賃料1,400万ドル相当の契約が2026年第4四半期に、さらに3,400万ドル相当が2027年中に開始すると見込んでいる。

DIRECTVとフラワー・マートが2027年の逆風に

エルセグンドにあるDIRECTVの賃貸契約は、2段階で満了する。4万9,000平方フィート分は2026年第4四半期の初めに満了し、残る48万4,000平方フィート分は2027年第4四半期の初めに満了する。このスペースは合計で年間約1,600万ドルの基本賃料を生み出している。

暫定最高財務責任者(CFO)のエリオット・トレンチャー氏は、何らかの形で契約が更新される可能性は残ると述べたが、経営陣の基本シナリオは全面退去または大幅な縮小だとした。キルロイは再賃貸、再配置、部分的または全面的な現金化の選択肢を検討しているが、いずれも実行済みの取引として発表されたものではない。

経営陣はまた、フラワー・マート・プロジェクトの資産計上を2027年1月ごろに終了する見通しだ。これにより、年換算で支払利息が約3,200万ドル、営業費用および税金が500万ドル増加する。これらの予想費用は、年末まで資産計上が継続する前提の同社の2026年ガイダンスとは別である。

土地売却と信用枠が資本の柔軟性を下支え

キルロイは、契約済みの土地売却案件を1億8,500万ドル分抱えており、クロージングは2026年後半に始まる見込みだ。これには、サンディエゴ中心部にあるキルロイ・イースト・ビレッジの土地の売却案件1,950万ドルが含まれ、同社は第4四半期のクロージングを見込んでいた。

同社は7月、手元資金で私募債2億ドルを返済した。一方、その後9カ月間に約3億9,500万ドルの満期を迎え、加重平均金利は約3.8%となる。また、未使用の信用枠は12億ドルを超えると報告した。

最高経営責任者(CEO)のアンジェラ・アマン氏は、資産売却による潜在的な収入を、買収、債務返済、または自社株買いに充てる可能性があると述べた。これらは資本配分の選択肢であり、発表済みの確約ではない。

結論

キルロイ決算の次の焦点は、第4四半期に予定される契約締結済み賃貸物件の入居開始と、イースト・ビレッジの土地売却が見込まれることだ。これらの節目を通じて、賃貸契約の活発化が、特定された2027年の逆風が到来する前に、賃料収入と利用可能資本へどのように結びつくかが明らかになる。

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