2026年第3四半期のSL Greenの業績は、マンハッタンのオフィス賃貸の改善と通期見通しの引き上げを示した。ただし、ガイダンス引き上げの主因は、継続的な賃料収入の伸びだけではなく、ホスピタリティ事業の取引だった。同社は10月21日に決算を発表し、10月22日に説明会を開いた。契約済みで未稼働のリースを含めると、既存オフィス物件の稼働率は95%だった。
主なポイント
- SL Greenは2026年の1株当たりFFOガイダンスを6.50~6.70ドルに引き上げた。主にホスピタリティ事業の持分売却による収益を反映している。
- 賃料の入れ替えによる上昇が現金ベースの営業収益の伸びを支えたが、賃貸稼働率には入居前のテナントも含まれる。
- 大規模な借り換えが進んだ一方で、金利コストの上昇や不動産売却時期の不確実性が依然として制約となっている。
目次
取引がSL Greenの業績見通しを押し上げ
SL Greenは第3四半期決算の発表で、通期の運営資金(FFO)ガイダンスを希薄化後1株当たり5.60~5.90ドルから6.50~6.70ドルへ引き上げた。改定後の見通しには、飲食・ホスピタリティ事業に関連する事業体の合弁持分20%を売却したことによる1株当たり1.10ドルの増益が含まれる一方、高金利環境に起因する1株当たり0.25ドルの下押し要因が織り込まれている。
ホスピタリティ事業の取引は10月に完了し、事業の総評価額は2億ドル、売却収入は4,000万ドルとなった。最高財務責任者(CFO)のMatthew DiLiberto氏は、会計規則により売却持分と保有継続持分の双方を再評価する必要があり、大幅な利益が発生したと述べた。したがって、この決算への寄与を継続的なホスピタリティ事業の営業収益と混同すべきではない。
四半期FFOは前年同期からほぼ横ばいだった一方、1株当たり純利益は大幅に増加した。9カ月累計FFOは、比較対象期間に522 Fifth Avenueの商業用モーゲージ投資の返済に関連する収益(受取利息を除く)が1株当たり0.94ドル含まれていたことから、前年同期比で減少した。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 第3四半期の希薄化後1株当たり純利益 | 2026年は1.01ドル、2025年は0.34ドル |
| 第3四半期の希薄化後1株当たりFFO | 2026年は1.59ドル、2025年は1.58ドル |
| 9カ月累計の希薄化後1株当たりFFO | 2026年は3.85ドル、2025年は4.60ドル |
| 2026年の純利益ガイダンス | 1株当たり0.20~0.50ドルから0.40~0.60ドルへ引き上げ |
賃料上昇がオフィス事業を下支え
マンハッタンの既存オフィス物件の稼働率は、2025年末の92.9%から2026年9月30日時点で95.0%に上昇した。この指標には契約済みで未稼働のリースも含まれるため、すべてのスペースがすでに入居済みで賃料を生み出していることを意味するものではない。
SL Greenは9月までにマンハッタンで約197万平方フィートのオフィスリースを締結した。経営陣は決算説明会で、年初来の賃貸面積がその後200万平方フィートを超えたと述べた。最初の9カ月間における入れ替え後の賃料は、前契約の段階的な賃料引き上げをすべて反映した水準を15.7%上回った。また、リース解約収入を除く既存物件の現金ベースの純営業利益は4.2%増加した。
賃貸担当役員のSteven Durels氏は、130万平方フィート超の案件パイプラインがあり、そのうち約84万平方フィートが積極交渉中だと説明した。テナント工事費負担は高水準にとどまったものの、フリーレントの譲歩は減少し始めていた。
借り換えの進展も金利上昇圧力は残る
経営陣によると、SL Greenは2026年に70億ドル超の借り換えを完了した。10月の大型取引の一つは、合弁パートナーと共同で実施した245 Park Avenueの20億ドルの借り換えだった。期間5年の固定金利ローンの金利は6.52%で、SL Greenは自社持分についてヘッジを行い、実効金利を6.37%とした。
DiLiberto氏は、1株当たり0.25ドルのガイダンス下押し要因について、約0.20ドルが支払利息、0.05ドルが手数料収入によるものだと説明した。また経営陣は、予定している資産売却の一部が2027年初めにずれ込む可能性があり、売却収入の時期は不確実だと述べた。
不動産売却とSummitの見通しに注目
SL Greenは110 Greene Streetを2億2,600万ドルで売却する契約を締結しており、慣例的な条件を満たしたうえで2026年第4四半期の完了を見込んでいた。同社は企業債務の返済に充てる純売却収入を約2億1,600万ドルと見込んでいる。発表時点で売却は完了していなかった。
経営陣はSummit One Vanderbiltの通期見通しも引き下げた。DiLiberto氏は、パリで計画されているアトラクションの開業前費用と、第3四半期の売上高連動賃料が営業成績の重しになったと説明した。パリでの開業予定は引き続き2027年6月だった。
結論
SL Greenの業績は、オフィス賃貸の改善と、取引を主因とするガイダンス引き上げが組み合わさった。次回予定されている会社の更新は2026年12月7日の機関投資家向け会議であり、債務返済に向けた110 Greene Streetの第4四半期の売却完了が、当面の重要な節目となる。
ニュースをさらに読む
免責事項
本FinanceVelix記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の金融、投資、法律、税務に関する助言ではありません。市場価格、金利、経済状況は変動する可能性があり、投資には損失のリスクが伴います。記載内容は公開時点で入手可能な情報に基づいており、変更される場合があります。重要な情報はご自身で確認し、必要に応じて有資格の専門家にご相談ください。資産、企業、サービスへの言及は推奨を意味するものではありません。




