創業者のMarc Lore氏が、ユーザーがレストランブランドを創設できる有料プラットフォームの準備を進め、将来の新規株式公開(IPO)を検討するなか、Wonderの事業拡大は東海岸を越えて進もうとしている。2026年10月25日時点で、フードテクノロジー企業の同社は170店舗を展開しており、2027年初めにテキサス州へ進出し、同年末までに州内で少なくとも100カ所の出店を目指している。Lore氏はIPOの時期を明言していない。

主なポイント

  • テキサス州は、Wonderが北東部および中部大西洋岸地域を越えて進出する初の市場となり、2027年初めの出店を予定している。
  • Wonder Createは11月17日の開始を予定しており、月額10ドルでレストランブランドを創設できる。
  • Lore氏は、IPOを成長や買収の資金調達手段とみている一方、自動化はより長期的なコスト削減策と位置づけている。

目次

Wonderの事業拡大、成長の中心にテキサス州

同社のテキサス州への進出計画では、最初の進出先としてダラス・フォートワースが挙げられ、その後、ヒューストン、オースティン、サンアントニオへ広く展開する。Wonderは2026年2月25日の発表で、2027年末までにテキサス州内で100カ所を超える店舗を開設する意向を示した。

Wonderは現在、バージニア州からマサチューセッツ州にかけて店舗を運営している。フードホール形式の店舗では、20を超えるレストランのコンセプトによる料理を提供しており、顧客は異なる料理を一つの注文にまとめ、店頭受け取りまたは配達で利用できる。

同社の運営モデルは、事業拡大の簡素化を目的として設計されている。料理はセントラルキッチンで調理して店舗へ運ばれ、従業員が加熱調理や仕上げを行う。店舗はすべて電化されており、ガス設備や排気設備を必要としないため、新たな物件への出店に伴う改装工事を減らせる。

テキサス州での展開は、Wonderが東海岸で確立した事業基盤の外でも、このモデルを大規模に運営できるかを試すことになる。新たなネットワークが本格稼働する前に、店舗、厨房、テクノロジーへの投資が必要となる。

項目詳細
累計資金調達額これまでに33億ドルを調達。
シリーズDの評価額2026年の資金調達ラウンドで、プレマネー評価額は90億ドル。
買収支出財務条件が非公開の取引を除き、10億ドル超。

Wonder Createがレストランブランド創設の新たな道を開く

Wonderは2026年11月17日から、インフルエンサー、起業家、ブランド向けに、同社のインフラを利用して独自のレストランコンセプトを創設できる月額10ドルのサブスクリプションを提供する計画だ。参加者は自ら厨房を運営することなく、注文による売上の一部を受け取ることができる。

人工知能(AI)は、名称、ロゴ、価格設定、レシピの開発を支援する。メニューはWonderが用意する食材をもとに構成され、同社は将来的にこのプラットフォームを一般に広く提供する意向だ。

実務上の違いは、参加者が独立して運営するレストランを開業するのではなく、Wonderのシステム内でブランドとメニューを作る点にある。基盤となる調理と注文の履行は、Wonderが引き続き担う。

自動化の構想は次の出店をはるかに超える

Wonderはすでに、サラダやボウルの盛り付けなど、一部の厨房作業を自動化しており、次の対象としてソースや飲料を計画している。Lore氏が掲げる長期目標は2040年までの調理・配達の完全自動化であり、現時点で同社が実現している能力ではない。

同社は、ウェアラブル端末のデータや血液バイオマーカーを含む顧客の健康情報を活用して食事の計画を支援することを目指すAIプラットフォーム「MEL」も開発中だ。MELは現在、Wonderの顧客には提供されていない。

自動化は、食事の価格を引き下げるというLore氏の構想の中核をなす。しかし、必要なシステムの構築には先行投資が必要であり、提示された情報からは、投資による節約額や効果が表れる時期は明らかでない。

IPOは成長資金となるが、時期は未定

Lore氏によると、上場すればWonderは事業拡大に向けた資金を調達しやすくなり、買収に活用できる上場株式も得られる。潜在的な上場に備え、同社は2026年3月、Worldpayに在籍していたGabrielle Scheibe Rabinovitch氏を最高財務責任者(CFO)に採用した。

WonderはGrubhub、Blue Apron、配達・物流事業者のRelayなどを買収し、すでに幅広いフードプラットフォームを築いている。投資家にはDoorDashと、Alphabet傘下のベンチャーキャピタル部門GVが名を連ねる。

課題は、レストランブランド、配達インフラ、テクノロジーを組み合わせ、顧客にとって魅力的な価値提案にすることだ。Lore氏によると、Wonderは味、温度、量に関する顧客評価を追跡し、評価の低い料理を継続的に改良している。新たな市場へ進出するなかでも、こうした取り組みは重要であり続ける。

Lore氏は以前、2027年初めには上場の準備が整う可能性に言及していたが、準備が整うことは、募集日程が確定したことを意味しない。直近の発言では、IPOの時期を明らかにすることを避けた。

結論

次の予定された節目は11月17日のWonder Createの開始で、その後、2027年初めにテキサス州で最初の店舗が開設される。これらの動きによりWonderの事業拡大戦略が実行に移される一方、株式公開の時期は未確定のままだ。

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