Trip.com Groupは2026年10月27日、「My Travel Impact」を発表した。認証済みのサステナブルホテルでの宿泊実績と、航空便および鉄道の利用による推定排出削減量をまとめて表示するアプリ内ダッシュボードを導入する。これまで別々の旅行商品に分散していた情報を集約する機能だが、交通機関の推定値は比較可能なデータが利用できる場合に限られる。

主なポイント

  • ダッシュボードには、Trip.comを通じて選択した対象ホテルの宿泊数と、航空便・鉄道の選択による推定排出削減量が表示される。
  • 航空便と鉄道の数値は異なる基準との比較に基づく推定値であり、旅行ごとの総排出量を測定したものではない。
  • Trip.comの2026年消費者調査では、価格、利便性、情報の不明瞭さが、よりサステナブルな旅行を妨げる要因として挙げられている。

「My Travel Impact」が集約する情報

ホテルに関する項目では、Trip.comの「Certified Sustainable」ラベルを取得した施設での宿泊数を記録する。このラベルは、認知された第三者認証に基づいている。対象となる宿泊実績を記録するもので、ホテル宿泊による排出削減量を算出するものではない。

航空便については、Travalystが推奨するTravel Impact Modelを用いて、排出量の少ない選択肢を選ぶことで回避できる排出量を推定する。鉄道については、列車での移動とガソリン車での移動を比較する。いずれの交通機関についても、比較可能なデータが利用できる場合に推定値が適用される。

発表では、この機能の提供先としてTrip.comアプリが示されているが、市場ごとの提供開始時期、必要なアプリの最低バージョン、過去の予約が対象となるかどうかは明らかにされていない。

認証と推定値は役割が異なる

ホテルのラベルには、確立された認証枠組みがある。 Trip.comの「Certified Sustainable」ラベルに関するGSTCの説明 によると、対象となるのはGSTC認定の認証機関による認証を受けた施設だ。この枠組みが説明するのはホテルのラベルであり、新しいダッシュボードや交通機関の計算を検証するものではない。

したがって、ダッシュボードの各項目は区別して見る必要がある。ホテルの宿泊数は認証済み施設への宿泊を示す一方、航空便と鉄道の数値は比較対象に対する削減量の推定値だ。今回の提供開始で示されるのは、特定の旅行選択肢の概要であり、すべての旅程を網羅する包括的な炭素排出量の記録ではない。

調査で需要が明らかに、ただし費用は依然として障壁

この発表は、Trip.com Groupの「2026年サステナブル旅行者レポート」と同時に行われた。同レポートは4地域29市場の回答者8,777人を対象としている。旅行の決定に際してサステナビリティが重要だと答えた人は75.4%で、56.8%は意識的によりサステナブルな選択肢を選んだと回答した。

最も多く挙げられた障壁は価格の高さで37.1%。次いで、不便さや追加の手間が29.8%、よりサステナブルな選択肢を見つけにくいことが27.1%だった。

オンライン旅行会社に求めるツールとして、回答者の41.6%が分かりやすいサステナビリティラベルを、32.7%が予約の炭素影響を示すダッシュボードを選んだ。「My Travel Impact」は旅行選択肢の可視性に対応するものだが、この機能によって費用が下がるとは発表されていない。

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